1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680418
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
秋田谷 英次 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (20001654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
成瀬 廉二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002099)
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Keywords | 雪害 / 豪雪 / 雪崩 / 道路雪害 / 屋根雪 / 気象情報 / 災害情報 / 除排雪 |
Research Abstract |
1995年12月中旬、翌1996年1月上旬と北海道は数年振りの豪雪に見舞われ、特に交通機関を中心に大混乱と大事故が多発した。1月には小樽市は鉄道、国道、高速道路が不通となり一時、陸の孤島と化した。この交通雪害は、豪雪という過酷なな自然現象以外に、気象の予測と災害情報の伝達、除排雪システムの効率的運用をはじめ、住民の多くが現代の防災技術を過信し災害に対する危機意識が希薄であったこと、行政やマスコミが事の重大さと対処法について的確な情報を流さなかった事など多くの反省点があげられる。 過密な都市構造の下では、高度に発達した交通・社会システムは、異常気象に際しては何らかの活動制限なしには、その機能低下が著しいばかりか、二次災害の発生や機能回復に多くの時間と費用を要することを示したもので、単なる雪害から複合災害に至ることを実証した。 さらに1、2月には本州日本海沿岸地域でも豪雪となり、交通、住宅関連の雪害が多発した。また雪崩災害も近年になく多発し多くの犠牲者がでた。死亡事故は住民の屋根雪落下事故とスキー場と山岳道路での雪崩事故が多く、今後、融雪期にかけての再発が懸念され、十分な警戒が必要である。スキー場、山岳道路の管理者は、本来雪崩のエキスパートなはずであるが、この10年あまりの小雪・暖冬で過去の体験者いなくなったことと、現場での危機意識の低下が事故多発の原因としてあげられる。 豪雪災害をはじめ自然災害は災害防止技術以外に種々の情報伝達と管理者・住民への更なる啓蒙活動なくしては、災害軽減は不可能である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 秋田谷英次: "札幌市内の雪氷路面調査-平成7年冬期-" 寒地技術シンポジウム‘95論文集. 356-361 (1995)
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[Publications] 原 文宏・秋田谷英次・須田 力・山本順子: "女性を対象とした冬期歩行に関する意識調査" 寒地技術シンポジウム‘95論文集. 737-742 (1995)
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[Publications] 秋田谷英次・成瀬廉二・尾関俊浩・他: "北海道の広域積雪調査-1995〜1996冬期-" 低温科学・資料集. 54(印刷中). (1996)
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[Publications] 秋田谷英次・西村浩一・尾関俊浩・他: "札幌の平地積雪断面調査報告-1995〜1996冬期-" 低温科学・資料集. 54(印刷中). (1996)
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[Publications] 秋田谷英次 他4名の共著: "最新雪崩学入門-雪崩から身を守るために-" 山と渓谷社, 157 (1996)
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[Publications] 石井清一他編 秋田谷英次他分担執筆: "スキーの医学" 南江堂, 303 (1995)