1994 Fiscal Year Annual Research Report
鹿児島県甲突川流域を対象とした超長期的デジタルハザードマップの試作
Project/Area Number |
06680435
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩松 暉 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80018663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 修一郎 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (60211653)
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Keywords | ハザードマップ / 鹿児島県 / 甲突川 / シラス / 二次シラス |
Research Abstract |
1993年の記録的な集中豪雨により,鹿児島県本土は激甚な災害を被った。鹿児島市の中心部を流れる甲突川でも洪水が発生した。しかし,他流域の河川と違って後背地がシラス地帯のため,土砂の流入が多く,河底面が著しく上昇した。水だけを念頭においたいわゆる総合治水だけでは,水害を防ぐことはできないことを示している。 そこで,本研究では,単年度完了ということでもあり,こうした多量の土砂流出をもたらす機構に絞って研究を行った。甲突川流域にはシラスのような未固結の堆積物と溶結凝灰岩や火山岩・堆積岩のような硬岩が交互に重なって分布している。そのため,硬岩のところでは峡谷,未固結堆積物のところは開けた袋谷となっており,遷急点のところには滝がある。 今回の災害ではシラス崩壊が多発したので,甲突川両岸の斜面崩壊から土砂が供給されたの思われがちであるが,本研究で調査の結果,遷急点直上の袋谷に分布するシラス(入戸火砕流堆積物)や河川性二次堆積物(いわゆる二次シラス)から多量に供給されたことがわかった。こうした軟弱な堆積物が豪雨によって浸食され,結果としてこれら堆積物が堆積する以前の旧河道を復元する形になったのである。 したがって,超長期的に見た場合,こうした堆積物の存在量と旧河道の位置などが問題となる。とくに,二次シラスは浸食に弱いため,要注意の堆積物といえよう。今後は電気探査なども併用して,基盤の構造を解明すると共に,賦存量の定量的な見積もりを行いたい。
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Research Products
(1 results)