1994 Fiscal Year Annual Research Report
耐久性アミノ酸樹脂を用いる炭酸ウラニルの捕集と同位体分離濃縮に関する研究
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06680463
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上田 一正 金沢大学, 工学部, 教授 (40019758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道上 義正 金沢大学, 工学部, 助手 (90190678)
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Keywords | 炭酸ウラニル / アミノ酸樹脂 / 同位体分離挙動 / ウラン捕集性能 |
Research Abstract |
1.アミノ酸樹脂の合成と樹脂物性 アミノメチル化ポリスチレン樹脂を基体に,Gly,Lys,Argなどの10種と,ε‐Acp.GAAなど5種の擬アミノ酸を導入したアミノ酸樹脂を合成した。アミノ酸導入量は2〜3.7mmol/g‐樹脂であり,イオン交換要量,IR,含水率などの測定により,合成樹脂の物性を評価した。また,樹脂の酸洗浄,アルカリ浸漬,再使用性の検討により,本樹脂は優れた耐酸,耐アルカリ性を有する耐久性樹脂であることを明らかにした。 2.ウラン平衡吸着量と選択吸着機能 合成樹脂は炭酸ウラニル種に極めて大きな吸着活性を示した。ウラン平衡吸着量はArg,Lys,ε‐Acp樹脂では800mgU/g‐樹脂以上であり,樹脂の高性能化が実現できた。ウランの吸着速度は極めて速く,吸着平衡の解析により,ジ炭酸種がLangmuir型吸着すると解釈された。また,移動相を用いた漏出,溶離曲線を作成し,海水マトリックス成分はウランの吸着速度を低下せず,トリウムなど他金属イオンから分離濃縮も可能であった。 3.ウラン同位体の分離挙動 a線測定とICP‐MS法により^<234>U,^<235>U/^<238>Uの分離係数を測定し、樹脂接触による天然ウランの同位体分離挙動を追跡した。バッチ法及びカラム法により求めた分離係数は,高温条件の方が低温条件より大きく,同位体が濃縮され易い傾向を示した。また,ウラン化学種では炭酸種の方が樹脂内に強く捕捉されることを認めた。更に,生海水に天然ウランをスパイクし,溶液内の酸化還元による同位体交換を上まわる同位体分離係数を得た。
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