1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680469
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 敏行 大阪大学, 工学部, 助教授 (60115988)
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Keywords | Si-SSD素子 / アクセプター型欠陥 / Zheng Liモデル / 中性子照射損傷 / 電子捕獲中心 / CMOS-SRAM素子 / ビットソフトエラー断面積 / Si(n,α)Mg反応 |
Research Abstract |
平成6年度に引続き,n型Si半導体をベースにしたSi-SSD素子の中性子照射効果について詳しく調べた。Si-SSD素子の静電容量は14MeV中性子照射によって,10kHz以下の周波数領域で増加し,100kHz以上の周波数領域で減少することを精密に測定した。この中性子照射による静電容量の変化特性を,Zheng Liモデルをもとにしたシミュレーション計算の結果と比較した。そして,高周波領域における変化特性が,アクセプター型欠陥を中心に置くZheng Liモデルによく一致することを示した。低周波領域の特性はZheng Liモデルのみでは説明できないが、空乏層境界における電子捕獲中心の項を加え,速度論的な取扱いをすれば十分説明できることを確めた。 さらに,CMOS-SRAM型記憶集積回路素子の14MeV中性子誘起ソフトエラー断面積の評価を行った。1Mビット記憶素子の実測14MeV中性子誘起ビットソフトエラー断面積は6〜9×10^<-14>cm^2であったが,この値は,記憶セル部分中にソフトエア-の発生に決定的な領域があることを示している。理論的な考察から決定領域としてMOSトランジスタのドレイン下部の空乏層領域を考え,開発したモンテカルロシミュレーションコードで,ビットソフトエラー断面積を計算した。測定値との比較考察から,ソフトエラーの発生にSi(n,α)Mg反応の寄与が最も大きく,14MeV中性子誘起ソフトエラー断面積の値をほぼシミュレーション計算で,再現でき,ソフトエラー発生に関する決定領域の考え方が妥当であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)