1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680474
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
一政 満子 茨城大学, 理学部, 教授 (60007557)
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Keywords | トリチウム / トリチウムガス / 土壌細菌 |
Research Abstract |
環境中に事故などで放出されたトリチウムガスは主に土壌で酸化されてトリチウム水となって生体に取り込まれ生物影響を及ぼす。土壌での酸化は土壌細菌によるとされているが、酸化をする土壌菌の種類とその菌の土壌分布については報告がない。そこで本年度は以下の研究を行なった。(1)海岸松林土壌と松の細根から分離したトリチウムガス酸化能を持つ放線菌について、細胞壁ペプチドグリカン成分の化学分析、リン脂質と全菌体糖、ミコール酸等の分析と走査電子顕微鏡による胞子表面の形態観察などを行い、放線菌の属の同定を行った。さらに(2)各種糖の資化性など生理生化学的性質の検討を加えて種の同定を試みたが、記載されている菌種のなかで諸性質がよく一致するものは見あたらなかった。(3)DNAの相同性による同定のために、土壌からの分離菌株1株とそれに近いと考えられる分譲菌株、類縁性がないと判断される植物からの分離菌株を用いてDNA-DNAハイブリダイゼーション法の検討を行った。すなわち、培養菌体からDNAを抽出し、ホトビオチン法でDNAをラベルした後、定量的ハイブリダイゼーションが出来るかどうか、各種条件の検討を行った。これらの菌株に適したDNA抽出法が確定出来た。ナイロン膜に分離菌株の全DNAをスポットし、ECLシステムを用いて別の菌株DNAプローブとするドットブロットハイブリダイゼーションを行い、X線フイルムで感光後ドットのデンシトメトリーを画像解析により行った。定量性に関する詳細な検討は現在進めている。
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Research Products
(1 results)