1995 Fiscal Year Annual Research Report
光合成色素分析から推定する湖沼底質中の植物プランクトンの堆積量
Project/Area Number |
06680498
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
相馬 悠子 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (90012400)
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Keywords | 光合成色素 / クロロフィル / カロチノイド / 植物プランクトン / 湖沼 / 湖沼堆積物 / 湖沼底質 |
Research Abstract |
最近バイカル湖では夏期にピコシアノバクテリアが増殖していることが知られている。BICER(バイカル国際生態学研究センター)との国際共同研究の中で1994年8月末に採取したバイカル湖水を使って,バイカル湖水中の植物プランクトンの光合成色素分析から,ピコシアノバクテリアの光合成色素の特徴と夏期のバイカル湖のピコシアノバクテリアの分布について調査した。 淡水産のピコシアノバクテリアの光合成色素については,報文が無いため,培養された単一株を使って先ずピコシアノバクテリアのクロロフィル,カロチノイドの組成を明らかにした。霞ヶ浦由来の培養Synechocystis spp.と河口湖由来の培養Synechococcus spp.は両方ともzeaxanthin, β-caroteneが主なカロチノイドでクロロフィルはchlorophyll aのみ,フィコビリン色素はphycoerythrinのみであり,色素に関してSynechocystis spp.とSynechococcus spp.の差は見られなかった。バイカル湖のSynechocystisも同じ色素組成を示した。この色素組成を使用してバイカル湖14ケ所で水深5m,15m,50mの湖水中の光合成色素を分析した。その結果,ピコシアノバクテリア分布は湖岸近くより湖心に多いが,場所による違いはあまり見られなかった。クロロフィルaに対するSynechocystisの寄与は,この8月で水深5-15mで30-100%であった。これを南湖盆の底質中のカロチノイドと比較したが,ピコシアノバクテリアの寄与が大きくは出ていなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 相馬 悠子: "光合成色素分析(クロロフィル,カロチノイド)による湖水の植物プランクトン現存量推定" 国立環境研究所資料 F-72-'95/NIES. F-72-'95. 24-30 (1995)
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[Publications] Yuko Soma: "Composition and vertical profiles of photosynthetic pigments in the sediment at Lake Kasumigaura" Geochemical Journal. 29. 107-113 (1995)