1994 Fiscal Year Annual Research Report
水環境中の有害物質の危険性評価のための小規模汎用スクリーニング法に関する研究
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06680522
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Research Institution | Toyama Prefectual University Junior College |
Principal Investigator |
楠井 隆史 富山県立大学短期大学部, 環境工学科, 助教授 (60153293)
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Keywords | bicassay / toxicity / mutagenicity / screening / microplate / hazard |
Research Abstract |
(1)藻類成長阻害試験及び海洋性発光細菌の基礎的特性の把握 参照物質として、発光細菌試験はフェノール、Zn^<2+>、藻類成長阻害試験ではCu^<2+>,NaClを用いて求めた各々のEC_<50>(15分)およびIC_<50>(72時間)は、25.7±7.41mg/L,3.05±0.85mg/L,39.1±7.53μg/L,2930±430mg/L(平均±標準偏差)であり、変動係数は前者で27.9〜28.8%、後者で14.7〜19.3%であった。海洋性発光細菌試験では、ピペット操作習熟および菌体の保存期間などが試験結果に有意な影響を与えることが明らかになった。更に、Zn^<2+>などの2価重金属の場合、経時的に感受性が高まる傾向が認められ、同定の為の補助的情報として利用できることが明かとなった。藻類培養試験においては、操作の習熟度の影響を受けるが、マイクロプレート上のウェル間(周辺を除く80穴)の細菌収率の変動は変動係数として5.57〜12.4%(平均9.82%)と小さく、試料量の増加した24穴(変動係数として673〜12.6%)と有意な相違は認められなかった。また、揮発性試料(一部のバルキング抑制剤)の場合はウェル間のコンタミネーションが認められ、この場合にはプラスチック蓋の代わりに粘着シールを用いると有効であることがわかった。しかし、光透過率の低下による細胞収率の低下が認められ、感受性に影響を与えている可能性もあり、今後の検討の必要がある。 (2)変異原性試験の最適化 試験期間の短縮のため、フラクチュエーション試験(37℃、5日)は検討から除外し、SOSクロモテスト(Quillardet.,et.al.,1982の方法)について検討した。既知の発癌物質(11物質)について検出率(陽性)を比較検討したところ、(8/11)と同程度の検出率(7/11)を得た。検出感度を比較すると、2物質(MNNG,Cr)においてはAmes法より高い感度が得られた。 (3)組み合わせ試験の感受性の比較 海洋性発光細菌発光阻害試験、藻類成長阻害試験、ミジンコ遊泳阻害試験・慢性毒性試験、魚類急性毒性試験などについて実験値および文献値を整理し、各バイオアッセイの特徴化(物質群毎)を行った。
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