1994 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族アミン高感受性株を用いたumuテストによる河川水の遺伝毒性モニタリング
Project/Area Number |
06680523
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
大江 武 京都女子大学短期大学部, 助教授 (10213638)
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Keywords | 芳香族アミン高感受性株 / umuテスト / 河川水 / 遺伝毒性 / ニトロアレーン / 芳香族アミン / XAD-2樹脂カラム吸着法 / ブルーレ-ヨン懸垂法 |
Research Abstract |
淀川水系河川水中には,フレームシフト型の直接および間接変異物質の存在が報告されているが,変異原性を有する物質の本体は明らかではない。本研究では,河川水中に存在することが推察されているニトロアレーン類および芳香族アミンを高感度に検出し得るO-アセチル転移酵素(O-ATase)高産生株を用いたumuテストでのSOS反応誘導能を指標に,淀川水系河川水の変異原性モニタリングを行った。 淀川水系河川の4箇所を定点として,1994年3月から1995年2月までの毎月1回,XAD-2樹脂カラム吸着法(XAD-2法)およびブルーレ-ヨン懸垂法(BR法)で得た抽出物について,O-ATase高産生株であるNM2009部によるSOS反応誘導能を指標としたumuテストでの変異原活性を,S9mix存在下および非存在下で求めた。それぞれのdose-response curveでの直線回帰式から算出した一定濃度における抽出物のSOS反応誘導能は,下水処理場の上流にある地点に比べ,下流に位置する地点で,S9mixの有無にかかわらず,高い傾向を示した。また,XAD-2法での活性は,BR法よりも高い傾向にあることが認められた。O-ATase欠損株であるNM2000でのSOS反応誘導能活性はほとんど認められず,NM2009での活性の大部分は,O-ATaseが関与する変異原物質であると推察された。 以上の結果から,O-ATase高産生株を用いるumuテストは,河川水の遺伝毒性モニタリングに有用であること,また淀川水系河川水中には,直接変異原物質であるニトロアレーン類,および間接変異原物質である芳香族アミン類が存在することが明らかとなった。
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