1994 Fiscal Year Annual Research Report
酸素透過性を制御した担体に固定化した脱窒菌による好気的脱窒操作に関する研究
Project/Area Number |
06680533
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山際 和明 新潟大学, 工学部, 助教授 (60200606)
|
Keywords | 排水処理 / 窒素除去 / 固定化微生物 / 酸素透過性 / 好気候脱窒 |
Research Abstract |
1.アルギン酸ゲルの酸素拡散特性の評価 アルギン酸ゲルの酸素拡散係数に及ぼすゲル化剤、アルギン酸組成(アンヌロン酸/グルロン酸の比、M/G比)等の影響を検討した。その結果、アルギン酸カルシウムゲル中の酸素拡散係数は水中における分子拡散係数とほぼ等しいこと、アルギン酸バリウムゲル中のそれは水中における拡散係数の40%程度であることを明らかにした。一方、脱窒反応に関与する酸化体窒素(硝酸イオン)と有機物(グルコース)の拡散係数についても同様に検討し、アルギン酸バリウムゲル中のこれらの拡散係数は水中における分子拡散係数とほぼ等しいことを明らかにした。 ゲル化剤としてバリウムを用いることにより、酸化体窒素や有機物は拡散しやすく酸素が拡散しにくい固定化担体、すなわち、脱窒菌の固定化に適した酸素難透過性担体を調製することができた。 2.脱窒菌の集積ならびに嫌気条件下における脱窒活性の評価 下水処理場の活性汚泥より脱窒菌を集積した。脱窒菌の脱窒活性の測定を行い、既往の文献値と同程度であること、溶存酸素濃度が0.3mg/L以上では脱窒反応がまったく進行しないことを確認した。 3.固定化脱窒菌の調製ならびに嫌気条件下における脱窒活性の評価 嫌気条件下におけるアルギン酸バリウムゲル固定化脱窒菌の脱窒活性は、懸濁液における値とほぼ等しかった。また、酸素飽和(約7.6mg/L)条件下ではカルシウムゲル固定化脱窒菌の脱窒活性はほとんど認められなかったのに対し、バリウムゲル固定化脱窒菌では嫌気条件下の約4割の脱窒活性を有することを明らかにした。 本年度では、脱窒菌の固定化に適した酸素難透過性担体を調製し、これに脱窒菌を固定化することにより好気的脱窒操作の可能性を確認し、当初の計画目的を達成した。
|
Research Products
(1 results)