1995 Fiscal Year Annual Research Report
海水性硝酸化・脱窒汚泥による海面ゴミ埋立処分地余水中の窒素と難分解性物質の同時除去
Project/Area Number |
06680539
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 憲治 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 道彦 大阪大学, 工学部, 助手 (40222856)
岩堀 恵祐 大阪大学, 工学部, 助手 (40183199)
藤田 正憲 大阪大学, 工学部, 教授 (70029289)
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Keywords | 海面ゴミ埋め立て地 / 余水 / 海水馴養硝化汚泥 / リン酸トリエステル / 硝化 |
Research Abstract |
我々が始めて調製に成功した海水馴養硝化汚泥には、現在土壌、地下水の汚染物質として大きな社会的関心を集め、しかも海面ゴミ埋め立て地余水中にも含有されている揮発性塩素化脂肪族炭化水素を分解する能力のあることが昨年度の研究で明らかにした。 本年度は、海面ゴミ埋め立て地余水中に含まれる代表的な難分解性物質であるリン酸トリエスエル類が、固定化した海水馴養硝化汚泥を用いる余水の硝化処理によってどのように分解を受けるか実験的に検討した。固定化海水馴養硝化汚泥による液滞留時間3.8時間の海面ゴミ埋め立て地余水の連続硝化処理において、tributyl phosphate(TBP)が0.34ppbから0.6ppbに82.3%の効率で除去された。同様に、tris(1.3-dichloro-2-propyl)phosphate(TDCPP)は3.35ppbから0.92ppbに、tris(2-butoxyethyl)phosphate(TBXP)は2.32ppbから0.64ppbに、tris(3-cholropropyl)phosphate(TCPP)は20.87ppbから12.08ppbに除去された。固定化担体によるリン酸トリエステル類の吸着除去も考えられることから、海水馴養硝化汚泥を含まないがポリビニルアルコールを冷凍法でゲル化したビーズで同様の余水処理を行い、リン酸トリエステル類の挙動を検討した結果、疎水性のTBPについては、ビーズのみの処理でも除去されることから、その除去に海水馴養硝化汚泥の関与する度合いは低いことが分かった、しかし、TCPPのような親水性のリン酸トリエステルについては、明らかに固定化海水馴養硝化汚泥による硝化処理ととビーズのみによる処理との間で差が見られたことから、固定化海水馴養硝化汚泥がその分解に関与していることが示された。
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