1995 Fiscal Year Annual Research Report
流れ系における水・底泥界面での物質移動に関する研究
Project/Area Number |
06680543
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 由行 九州大学, 工学部, 助教授 (90172460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝位 孝二 九州大学, 工学部, 助手 (70202570)
小松 利光 九州大学, 工学部, 教授 (50091343)
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Keywords | 底泥 / 物質輸送 / 底泥の酸素消費速度 / リンの溶出 / 粗度 / 流れ / 乱流境界層 / 濃度境界層 |
Research Abstract |
1.底質の酸素消費速度に及ぼす流れの影響のモデル化(中村、小松、朝位) 平板乱流境界層における物質輸送理論は、伝熱工学、化学工学等の分野の業績があり、これらを、水底質界面に適用し、水理学的滑面でのモデル化をおこなった。従来提案されているアナロ-ジ-理論を比較検討し、水域へ適用性を検討した。まず、平滑面および水理学的粗面それぞれを対象とした物質輸送のモデル化を行う。このため、第一に、Deisslerによるアナロジー理論を水底泥界面直上の乱流境界層に適用して、平滑面における乱流輸送のモデル化をおこなった(中村・小松)。第二に、粗面における物質輸送に関しては、化学工学などで試みられているCavity modelの考え方を応用し、粗度高さが物質輸送速度に及ぼす影響をモデル化した(中村・朝位) 2.水理実験による検証(中村) 自由表面があると曝気による酸素の供給量が無視できない大きさを持つため、矩形断面の管水路を用い、ポンプで水を循環させたクローズドシステムで実験を行った。湖沼及び貯水池より採取した底泥を水路底面に5cm程度の深さに敷き、流速を1cm/s〜20cm/sに数段階に変えた。レーザー流速計を用いて底泥近傍の流速分布を詳細に測定して平均流速、摩擦速度及び粗度高さを求めた。購入するDOメータによって溶存酸素濃度を連続的にモニターし、その経時変化から見かけの酸素消費速度を求めた。循環水は別にフラン瓶に採取して呼吸速度を求め、その値を補正することで、真の底泥による酸素消費速度を求めた。DO濃度の低い実験条件については、循環水を採取し、購入する分光光度計によりリン濃度の測定し、溶出フラックスのDO濃度及び流速依存性を求めた。 最後に、実験及び理論計算により求めた酸素及びリンのフラックスを比較し、モデルの妥当性が検証された。
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[Publications] Yoshiyuki NAKAMURA: "Effect of Flow Velocity on Sediment Oxygen Demand : Theory" J. Environmental Engineering, ASCE. Vol. 120. 996-1016 (1994)
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[Publications] Yoshiyuki NAKAMURA: "Modeling of Diffusive Mass Transfer at the Sediment-Water Interface" Proc. Japan-China Bilateral Symposium on Fluid Mechanics and Management Tools for Environment. 283-290 (1994)
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[Publications] 中村由行: "Effect of Flow Velocity on Phosphate Release from Sediment" Water Science and Technology. 30. 263-272 (1994)
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[Publications] 中村由行,井上徹教,御子神学: "深層曝気の運転条件に関する理論的考察" 海岸工学論文集. 42. 1176-1180 (1995)
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[Publications] 中村由行,柳町武志,井上徹教: "水・底泥界面の物質移動速度に及ぼす底面粗度の影響" 海岸工学論文集. 42. 1046-1050 (1995)
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[Publications] Yoshiyuki NAKAMURA: "Hydrodynamic Control of Mass Transfer at the Sea Floor" Proc. Int. Workshop on Response of Coral Reefs to Global Changes. (in press). (1996)