1995 Fiscal Year Annual Research Report
河川の富栄養化防止のための底泥管理手法に関する研究
Project/Area Number |
06680544
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大石 京子 九州大学, 工学部, 助手 (20110835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 克美 九州共立大学, 工学部, 助教授 (80157932)
山西 博幸 九州大学, 工学部, 助手 (20240062)
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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Keywords | 底泥 / 感潮河川 / 生分解性有機物 / 水質 / 堆積速度 |
Research Abstract |
本年度は主に、1.室内実験により底泥の堆積形態及び傾斜面勾配と底泥の堆積速度について、2.堆積物に含まれる生分解性有機物の量と質について、3.堆積物が酸化分解される過程で生成する物質とその水質への影響、について検討した。その結果、底泥面上の懸濁物質濃度が高いほど、さらに斜面勾配が小さいほど堆積速度は大きくなった。また斜面勾配が堆積速度に影響を与える角度は、0.2rad前後であり、これ以上になると懸濁物質濃度が高くなっても堆積速度は大きく増加しないことが明らかになった。強混合型感潮河川では底泥の堆積及び再懸濁化など堆積変動が大きく、懸濁物質濃度が高い河川において、一潮汐でも1mm程度堆積する可能性があることが明らかになった。長期的な堆積高の観測結果からも1〜2mm/day程度の堆積変動を示すことが認められた。それに伴う有機物の負荷速度を、堆積物中の生分解性有機物含有率から算出するために、生物学的に分解した場合に生産される物質とその量を水質に大きな影響を与える炭素と窒素について求めた。窒素化合物はアンモニア態窒素、炭素化合物は好気分解では二酸化炭素、嫌気的には主に二酸化炭素、エチレン、メタンであった。このC/Nは6程度であり、生分解性有機物の含有率が高い底泥は窒素に比べて炭素の含有率が高くC/Nも大きくなった。生分解性有機物の含有率が小さい底泥はC/Nが3〜4程度と微生物菌体の組成C_5H_7NO_2のC/Nに近い値を示し、このような底泥ではエチレンやメタンは生成されなかった。
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