1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680568
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Research Institution | Suntory lnstitute for Bioorganic Research (SUNBOR) |
Principal Investigator |
南方 宏之 (財)サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (90150143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 享資 財団法人 サントリー生物有機科学研究所, 部長研究員 (60142080)
佐竹 炎 財団法人 サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (20280688)
安田 好美 財団法人 サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (10270571)
岩下 孝 財団法人 サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (00150144)
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Keywords | D-アミノ酸 / 生理活性ペプチド / 軟体動物 |
Research Abstract |
アフリカマイマイ神経節由来のD-アミノ酸を含むペプチドfulicil(Phe-D-Asn-Glu-Phe-Leu-NH_2)の前駆体をコードするcDNAをクローン化した。前駆体蛋白質は、1コピーのfulicinと予測される9つのC-端アミド化ペプチド(fulicin gene-related peptide;FGRP)を含んでいた。これらの内、FGRP-9(Tyr-Ala-Glu-Phe-Leu-NH_2)は、第二残基がD-Alaであればfulicinと類似の生物活性を持つと予測された。合成した[D-Ala^2]FGRP-9は、マイマイのペニス牽引筋のアッセイでfulicinとほぼ同じ強さの活性を示した。[D-Ala^2]FGRP-9の構造は、Leu-enkephalinの強力なアゴニストであるDALEA(Tyr-D-Ala-Gly-Phe-Leu-NH_2)と第三残基を除いて同一である。μ-レセプターに対する活性は、第一残基のTyrと第三残基のGlyが必須であることはよく知られているが、構造の類似性からfulicinやFGRPの中には、enkephalin様の活性を示すものがあるのではないかと考えた。そこで、fulicin、FGRPおよびそれらのアナログペプチドを合成し、マウス輸精管、モルモット回腸、およびウサギ輸精管を用いるオピオイドペプチドアッセイおよびラット脳のμ-、δ-、およびκ-レセプターに対する結合アッセイを行った。11個のアナログペプチドの内、9個が活性を示し、特に2個のFGRP(Tyr-Asp-Phe-Ile-NH_2、Ser-Pro-Tyr-Tyr-Phe-Leu-NH_2)がκ-タイプのウサギ輸精管に強い活性を示した。結合アッテイでは5個のアナログペプチドがμ-、δ-、およびκ-レセプターに結合した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 南方宏之: "軟体動物から単離したD-アミノ酸を含む生理活性ペプチド" 日本化学会誌. 1996・7. 595-608 (1996)
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[Publications] Hiroyuki Minakata: "Opioid Peptide-like Activities of Fuliun,Fuliun gene-related Peptides,and their Synthetic Analogs" Peptide Chemistry. 1996. (1997)