1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680596
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Research Institution | Sasaki Institute |
Principal Investigator |
久下 小百合 (財)佐々木研究所, 生化学部, 研究員 (50260104)
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Keywords | 小胞輸送 / coatomer / ε-COP |
Research Abstract |
輸送小胞形成に必須の複合タンパク質、coatomerのサブユシットのうち、ε-COPについて以下のことを行なった。 1.ε-COPのcDNAクローニング:牛肝臓より精製したcoatomerをSDS-PAGEにかけ、各サブユニットに分離した後、ε-COP部分から部分的にペプチドのアミノ酸配列を決定し、PCRに用いるプライマーをデザインした。牛肝臓cDNAライブラリーをテンプレートにしてPCR法で特異的なDNAフラグメントをサブクローニングし、これをプローブとして牛肝臓cDNAライブラリーより目的のcDNAをスクリーニングし、cDNAの配列を決定した。 2.抗ε-COPポリクローナル抗体の作製:ヒスチジンがニッケルに結合する性質を利用して、クローニングしたε-COPのcDNAにヒスチジン6個をN-末端側に付加したものを大腸菌に発現し、ニッケルカラムを用いて精製した。これを抗原としてウサギに免疫し、血清よりアフィニティークロマトグラフィーを用いて抗体を精製した。 3.抗e-COPポリクローナル抗体の特性解析:抗ε-COPポリクローナル抗体を用いて、ε-COPが輸送小胞上に存在することを明らかにした。また、細胞質中における局在を調べた結果、ε-COPはcoatomerとしてのみ存在し、細胞質中に他のε-COPのプールは存在しなかった。 4.ラジオラベルcoatomerの分離:クローニングしたε-COPのcDNAにヒスチジン6個をN-末端側に付加したものを哺乳動物細胞の発現系に導入し、e-COPを大量発現する形質転換CHO細胞をクローニングした。この細胞を大量培養し、メタボリックラベルした後、ニッケルカラムを利用してcoatomerの精製を行なった。 5.ラジオラベルcoatomerを用いた輸送小胞の分離:ラジオラベルcoatomerをゴルジ膜とARFと共にインキュベーションし、蔗糖密度勾配遠心分離法で輸送小胞を分離することに成功した。
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[Publications] 久下 理: "ζ-COP,a Subunit of Coatomer,Is Required for COP-Coated Vesicle Assembly" Journal of Cell Biology. 123. 1727-1734 (1993)
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[Publications] 久下小百合: "En bloc Incorporation of Coatomer Subunits During the Assembly of COP-Coated Vesicles" Journal of Cell Biology. 124. 883-892 (1994)