1995 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ペプチドによる直接的GTP結合調節蛋白質調節機構の解析
Project/Area Number |
06680605
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
向井 秀仁 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (20251027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 英輔 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60072766)
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Keywords | サブスタンスP / ニューロキニンA / ニューロキニンB / GTP結合調節蛋白質 / マストパラン / クロスリンク / トランスロケーション / 両親媒性ペプチド |
Research Abstract |
昨年度のマストパラン(MP)に引き続き、本年度はまずニューロキニン群ペプチドによる肥満細胞からのベータヘキソサミニダーゼ分泌機序について検討した。その結果、哺乳動物由来の3種類のニューロキニン群ペプチド、サブスタンスP(SP)、ニューロキニンAおよびニューロキンBのうちSPのみが肥満細胞からの分泌を刺激した(EC_<50>:15μM)。そこでSPによる分泌刺激機構を検討したところ、SPによる分泌刺激には細胞外カルシウムは必須ではなく、細胞外カルシウム存在下ではSPによる分泌活性が抑制されること、細胞外カルシウムの存在はSPによる分泌速度を上昇させることが見いだし、SPの分泌刺激には細胞内カルシウムの動員だけでなく、細胞膜に存在するであろうカルシウムチャネルも関与していることを示唆した。またSPおよびその誘導体を用いて分泌刺激における構造活性相関を検討したところ、1)分泌刺激にN末端に存在する正電荷アミノ酸の存在が必須であること、2)C末端部位が疎水的であることが重要なこと、3)SPの作用するタイブ1ニューロキニン群ペプチド受容体(NK-1)のアンタゴニストとして報告されているSP関連誘導体が分泌刺激作用を持つことが示され、肥満細胞におけるSPの受容体は従来から知られているSP受容体であるNK-1でないことが示唆された。またこれらの構造活性相関はGTP結合調節蛋白質(G蛋白質)の一種であるGiをリン脂質に再構成した系でのSP関連誘導体によるG蛋白質活性化の構造活性相関と完全に一致した。これらのことはSPの細胞における標的物質がG蛋白質であることをさらに強く示唆するものと考えられる。そこで現在SPの様々な放射ラベル、蛍光ラベル誘導体を合成し、肥満細胞における標的物質とのクロスリンクならびに蛍光顕微鏡を用いた細胞内へのこれら物質のトランスロケーションを検討しているところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hidehito Mukai, et. al.: "The regulatory mechanisms of GTP binding regulatory proteins by mostoparan and itsderivatives" Peptide Chemistry. 1993. 309-312 (1994)
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[Publications] Shigetomo Fukuhara, et. al.: "Pharmacological evidence for murokinin receptors in C1300 cells." Peptides. 16. 211-214 (1995)
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[Publications] Shigetomo Fukuhara,et al: "Intracellular signal transduction induad by neurokinin receptors in C1300 cells." Peptides. 1994. 775-776 (1995)
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[Publications] Shigetomo Fukuhara, et. al.: "Mechanisms of amylase secretion induced by neurokininsin AR42J rat pancreatic ocimarcells." Peptide Chemistry. 1994. 385-388 (1995)
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[Publications] Hidehito Mukai, et. al: "The regulation of GTP-binding regulatory proteine by substance P, mascoparan and their derivatives." Peptides : Chemistry, Structure and Biology. (in press).
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[Publications] Shigetomo Fukuhara, et. al.: "Intracellular signal transduction in volved in neurakinin receptors." Peptides : Chemistry. Structrure and Biology. (in press).