1995 Fiscal Year Annual Research Report
多種のDNA結合蛋白と協調的に働くヒトSNF2のクローニングと機能解析
Project/Area Number |
06680606
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 宏幸 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60185866)
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Keywords | SNF2 / 転写活性化 / 蛋白間相互作用 / クロマチン / 核内リセプター |
Research Abstract |
平成6年度において2つのヒトSNF2(hSNF2a/b)のクローン化およびエストロゲンリセプターをはじめとする核内リセプターによる転写活性化への関与を示した(Chiba et al.,1994)。 hSNF2複合体による活性化機構をさらに詳細に調べるため、酵母two-hybrid系を用いてhSNF2結合因子のクローン化を行った。その結果、DNA結合活性を持つとされるある核蛋白(SNF2BP1と命名)を得た。SNF2BP1はhSNF2a/bの双方に特異的かつ強く結合することが、酵母内のみならずin vitro合成蛋白を用いた結合反応系においても示された。結合に必要な領域は、hSNF2a/bにおいてはa/b間で互いに相同性の高いN末端近傍であり、SNF2BP1においてはC末端近傍であった。ヒト細胞核抽出液の画分を用いてウエスタン解析を行うことによって、SNF2BP1の多くはhSNF2複合体とクロマトグラフィー上で挙動を共にすることが判明した。またSNF2BP1の結合領域のみを発現させることによって、レチノイン酸リセプターとhSNF2複合体に依存した転写活性化を阻害することが培養細胞系において示された。 これらの結果からSNF2BP1はヒトSNF2複合体の構成因子もしくは強固に結合する調節因子であり、複合体機能に重要な役割を持つことが示唆された(Mori and Kato,準備中)。現在、複合体中のSNF2BP1の特異的DNA結合活性を測定しており、複合体による遺伝子特異的活性化への関与を検討中である。
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