1994 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物におけるDNAのメチル化と脱メチル化に関する研究
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06680613
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田嶋 正二 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (50132931)
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Keywords | DNAメチル化 / DNAメチルトランスフェラーゼ / DNA結合タンパク質 / 筋分化 / MyoD1 |
Research Abstract |
本研究計画では、染色体DNAのメチル化状態を規定する因子である、DNAメチルトランスフェラーゼ(MeTase)とメチル化状態の調節に関わる蛋白質についてそれらの性質を理解することを目的とする。本年度は以下のような成果が得られた。 1)MeTaseが細胞の増殖を停止させるような条件では活性と蛋白質量が低下し、DNA合成阻害剤のアフィディコリンではこの低下が抑えられるのは、MeTase蛋白質の安定性によるものであることを予想させる結果を得た。 2)ニワトリ(鳥類)のMeTaseのcDNAを単離してその塩基配列を決定した。また、cDNAを発現ベクターにいれて培養細胞で発現させその性質を調べた。その結果、ニワトリのMeTaseの構造は哺乳類(マウスとヒト)と活性中心を含むC末端側領域では非常に良く似ていたが、N末端側250アミノ酸では殆どホモロジーがなかった。また、強制発現させたMeTaseではマウスのMeTaseよりも相対的に高いdenovoのメチル化活性を示した。 3)プロトオンコジーンであるc-Mycが結合するDNAモチーフをメチル化した時に特異的に認識する3番目の蛋白質を見つけて部分精製を行なった。このDNA結合蛋白質は細胞が増殖しているときに特異的に発現して、細胞を分化誘導、低血清下等にさらして細胞の増殖を抑制するとその活性は低下した。 4)筋芽細胞にMeTaseのcDNAを強制発現させると、予想に反してその終末分化が促進される株が非常に多く単離された。これら株では、細胞が増殖しているときでもMyoD1の発現が非常に高く、またMyoD1遺伝子の特定の領域がメチル化されていた。これら分化促進株では細胞が増殖しているときにもMyoD1遺伝子の転写活性が高かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Muroya,S.: "Selective inhibition of a step of myotube formation with wheat germ oggulutimin in a murire myoblast cell line,C2C12" Cell Structure and Function. 19. 241-252 (1994)
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[Publications] Harada-Shiba,M.: "Response of 3-hydroxy-3-methuylglutaryl CoA reductase to l-triiodothyronime in the cultured fibroblasts from FH homoqygotes" Atherosclersis. 113. 91-98 (1995)
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[Publications] Miller,J.D.: "The β-subunit of the signal recognition particle receptor is a transmembrane GTPase that anchoro the α-subunit,a peripheral membvane GTPase,to the eneloplasmic" Journal of Cell Bioloyy. 128. 273-282 (1995)
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[Publications] Tajima,S.: "Isolation and expression of a chicken DNA methyltransferase cDNA" Journal of Biochemistry. 117(in press). (1995)