1994 Fiscal Year Annual Research Report
アンチザイムとアンチザイムインヒビターによるオルニチン脱炭酸酵素の相反的分解制御
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06680625
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 伸一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50028297)
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Keywords | アンチザイム / ODC / オルニチン脱炭酸酵素 / アンチザイムインヒビター / ポリアミン / フィードバック調節 / cDNA / タンパク質分解 |
Research Abstract |
ポリアミン合成の律速酵素であるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)は迅速な代謝回転を営み、その分解速度は細胞内ポリアミン濃度の上昇によってさらに加速されるが、これはポリアミンで誘導される調節タンパク質アンチザイム(AZ)がODCに結合してこれを不安定化する為であることがこれまでの研究で明らかとなった。一方、アンチザイムインヒビター(AI)はODCとほぼ同じサイズのホモ2量体でODC以上の高い親和性でAZと結合し、その作用を阻害する。AZの構造と役割がほぼ解明されたので、本研究ではAIに的を絞り、その構造と役割ならびに発現調節を解明することを目的とする。本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)AIcDNAのクローン化:イソプロテレノール注射でAImRNAを誘導したラット心臓よりλZAP(II)に組み込まれたcDNAライプラリを調製し、これよりモノクローナル抗体をプローブとしてラットAIcDNAをクローン化した。 (2)AIの一次構造の決定:上記AIcDNAの塩基配列解析の結果、ラットAIは448アミノ酸残基より成るサブユニットのホモ2量体であり、GENETICS-MACを用いて相同性検索を行った結果、ラットODCとアミノ酸レベルで50%、核酸レベルでも同程度の類似性がみられた。従ってAIがODCの修飾タンパク質である可能性は否定された。 (3)AImRNAの組織分布と動態:AIcDNAをプローブとするノーザンブロット解析によってAImRNA量を調べた結果、AImRNAは調べたラットの腎臓、脳、心臓、肝臓、肺、脾臓のいずれの組織にも比較的少量の発現がみられた。また、イソプロテレノール投与ラットの心臓では予想通りAImRNA発現量が数倍に増加することを確かめた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashi S & Murakami Y: "Rapid and regulated degradation of ornithine decarboxylase." Biochem J. 306. 1-10 (1995)
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[Publications] Matsufuji S et al: "Autoregulatory frameshifting in decoding mammalian ornithine decarboxylase." Cell. 80. 51-60 (1995)
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[Publications] Murakami Y,et al: "Forced expression of antizyme abolishes ornithine activity,suppresses cellular levels of polyamines and inhibits cell growth." Biochem J. 304. 183-187 (1994)