1995 Fiscal Year Annual Research Report
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06680633
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
長谷川 典巳 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助教授 (60095023)
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Keywords | tRNA^<Thr> / アイデンティティー / アンチコドン / 識別位塩基 / トレオニル-tRNA合成酵素 / 大腸菌 / 酵母 / 高度好熱菌 |
Research Abstract |
アミノアシル-tRNA合成酵素によるtRNAの分子認識については、最近大腸菌の系で20種全てのアミノ酸種tRNAについて、解析の程度に差はあるものの何らかの知見が得られるようになった。その結果、アンチコドンと識別位塩基についてはほとんどのアミノ酸種について認識部位となっていた。その中で、セリンとトレオニンtRNAについては識別位塩基が認識部位とはなっていない。セリンtRNAの場合は直接の認識部位ではないが、負のデタ-ミナントとして機能しており、ヒトのセリンtRNAでは、直接認識にかかわっていることが明らかにされている。トレオニンtRNAの場合、いままで大腸菌でしか認識部位が明らかにされておらず、識別位塩基の役割については唯一不明である。そこでほかの生物種のトレオニンtRNAでも識別位塩基が認識にかかわっていないかどうか、またアンチコドンやアクセプターステムの認識が大腸とどのように共通性があるか、あるいは異なっているかを、高度好熱菌、酵母およびウシ肝からのトレオニル-tRNA合成酵素を用いて、これらの酵素がトレオニンtRNAをどのように認識しているかを明らかにした。結果はアンチコドン部位とアクセプターステムの1番目の塩基対は4生物種について認識部位として保存されていたが、識別位塩基を含むアクセプターステムの他の塩基対の認識が種により異なっており、進化的に分岐してきたことを推測することができた。当初の計画ではプロリンtRNAについて行う予定であったが、対象をトレオニンtRNAに変更し、その結果、生物種を予定より広げることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Asahara,H.: "Escherichia coli seryl-tRNA synthetase recognizes tRNA ^<Ser> by its characteristic tertiary structure." Journal of Molecular Biology. 236. 738-748 (1994)
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[Publications] Tamura,K.: "Role of the CCA terminal sequence of tRNA ^<Val> in aminoacylation with valyl-tRNA synthetase." Journal of Biological Chemistry. 269. 22173-22177 (1994)
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[Publications] Tamura,K.: "Roles of the CCA end of tRNA in translational processes." Nucleic Acids Symposium Series. 31. 277-278 (1994)
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[Publications] 長谷川典巳: "tRNAのアイデンティティー、-大腸菌の系を中心にして-" 蛋白質 核酸 酵素. 40. 1474-1484 (1995)
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[Publications] Nameki,N.: "Similarities and differences in tRNA identity between Escherichia coli and Saccharomyces cerevisiae : Evolutionary conservation and devergence." Nucleic Acids Symposium Series. 34. 205-206 (1995)
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[Publications] 田村浩二: "tRNAに共通に存在するCCA末端構造の機能" Viva Origino. 24(印刷中). (1996)