1995 Fiscal Year Annual Research Report
レセプター部分ペプチドを用いたレセプター/G蛋白質相互作用の解析
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06680642
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
若松 馨 群馬大学, 工学部, 助教授 (40222426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 俊之 三菱化学生命科学研究所, 構造解析研究室, 研究員
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Keywords | G蛋白質 / レセプター / ペプチド / マストパラン / NMR / 安定同位体ラベル / TRNOE |
Research Abstract |
(1)3次元多核編集TRNOE解析:^<15>Nで一様にラベルしたマストパランXとGi1αとの相互作用を3次元多核(^<15>N)編集TRNOEで解析した。通常のプロトンのみの2次元転移多核オーバーハウザ-効果(TRNOE)スペクトルではシグナルの重なりによって区別できなかった多くのNOEクロスピークが3次元スペクトルでは検出できた。この方法によって蛋白質に結合したペプチドの詳細な立体構造解析が一般的に可能になると期待される。 (2)蛋白質の重水素化によるTRNOEスペクトルの改善:TRNOE法には、蛋白質のプロトンに磁化が移動してTRNOEの感度が低下したりspin diffusionが起きたりする可能性がある。これを防ぐためには蛋白質を重水素化することが有効であると期待される。そこでGi1αを重水素化してその存在下でマストパランXのTRNOEを測定したところ、TRNOEシグナルの感度が上昇し蛋白質の重水素化が有効であることがわかった。 (3)G蛋白質のアミノ酸選択的安定同位体ラベル:レセプターと結合したり、結合によってコンフォメーション変化を起こすG蛋白質のアミノ酸残基を決定するためには、G蛋白質αサブユニットのアミノ酸選択的安定同位体ラベルが有効であると期待される。そこでまずGi1αに3残基しかないTrpを^<15>Nで選択的にラベルした。グアニンヌクレオチド結合部位の近傍にはTrp残基があるが、そのHSQCシグナルはGi1αのGDP結合型→GDP・AMF結合型の変換に伴ってシフトした。そこでアミノ酸選択的安定同位体ラベルはG蛋白質とレセプターとの相互作用の解析にも有用であると期待される。
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[Publications] K. Hosoda, M. Ohya, T. Kohno, T.Maeda, S. Endo, K. Wakamatsu: "Structure Determination of an Immunopotentiator Peptide, Cinnamycin, Complexed with Lysophospatidylethanolamine by ^1H-NMR" Journal of Biochemistry. 119. 226-230 (1996)