1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680672
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
東谷 篤志 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (40212162)
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Keywords | SOS応答 / DNA修復 / 細胞分裂 / 細胞周期 / 阻害因子 |
Research Abstract |
DNAが紫外線や放射線、変異原物質などで傷つけられたとき、大腸菌においては、SOS応答と呼ばれる一連の転写調節機構を発動させて、DNAの修復を行う。この応答には、細胞増殖を一時的に停止させるために、細胞分裂阻害蛋白質SulAの一過的な産生がみられる。SulA蛋白質による細胞分裂阻害の機構は、細胞分裂に関わるFtsZ蛋白質をその標的にしていることが、これまでの遺伝学的研究から報告されているが、その生化学的詳細は不明である。 そこで本年度の研究では、maltose binding protein(MBP)のfusion SulA蛋白質(ref.Sonezaki et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.in press)とFtsZ蛋白質とを精製し、in vitro系で両者の相互作用について検討した。その結果、(1)FtsZ蛋白質とSulA蛋白質はGTPの存在下で安定なcomplexを形成すること。(2)この反応にはGTPの水解が必要であること。(3)またcomplexは両蛋白質分子1:1で形成されること。などが明らかになった。またプラスミド上にSulA遺伝子をclone化し、遺伝学的手法により、SulA蛋白質が多量生産される条件下でも細胞増殖が阻害されないsuppressor変異株を約20株分離した。それら変異の位置をtransposon Tn10によるmapping法(ref.A.Higashitani et al.,(1994)Nucl.Acids Res.22、2426-2427)で決定した。
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