1994 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイド前処理真皮線維芽細胞による表皮細胞の粘液細胞への分化転換機構の解明
Project/Area Number |
06680697
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
帯刀 章子 帝京大学, 薬学部, 講師 (80112762)
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Keywords | レチノイド / 表皮粘液化生 / 真皮線維芽細胞 / 上皮-間充織相互作用 |
Research Abstract |
鶏胚脛部皮膚を過剰量のレチノールで8時間作用後、レチノール不含培地で更に2日間培養すると、表皮細胞は本来の角質化を起こさず、粘液細胞へ分化転換する。このような分化転換は、レチノールにより8時間以内に真皮繊維芽細胞において誘導される“シグナル"が表皮細胞へ伝わり誘導される。レチノール前処理真皮繊維芽細胞に対するモノクロナール抗体を生細胞を抗原として作製したところ、認識部位が細胞のouter surfaceにあり、分化転換を特異的に抑制する中和抗体を本研究者は得ることが出来た。従ってレチノール前処理または未処理真皮繊維芽細胞より細胞膜を分画し、膜タンパクを抽出後、モノクロナール抗体を用いた免疫沈降により抗原を特定したところ、130KDの糖タンパクが検出された。この抗原はレチノール処理により初めて出現するが、抗体価はあまり高くなく、従って非特異的バンドも幾つか見られた。免疫沈降物をSDS-電気泳動により分画後electrontransferによりこの抗原をPVDF膜に移したが量的に少ない為にアミノ酸配列を決めることが未だ出来ていない。抗体価の高いモノクロナール抗体を得るために、数々の工夫をして再度作製中である。 尚、シグナルの本体がタンパクであるか否かを明らかにするために、N-グリコシド結合による糖のタンパクへの付加を阻害するツニカマイシンの表皮粘液化生への作用を調べた。ツニカマイシンは表皮粘液化生を抑えなかったことからシグナルがタンパクであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)