1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680720
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30183114)
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Keywords | 副腎皮質 / 精巣 / 卵巣 / ステロイドホルモン / Ad4BP / 転写因子 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究では、Ad4BPがステロイドホルモン産生組織の分化過程でいかなる機能を有するかを調べることを目的とした。まず1、胎仔期より成獣にいたるラットの生殖腺におけるAd4BPの発現を検討した。(1)Ad4BPは生殖腺の性分化が認められる以前の生殖隆起に既に発現しており、その発現量に性差は認められなかった。(2)生殖腺の性分化の進行と共に、精巣で高く卵巣で低い発現が認められる。この性依存的発現は、生後1週から3週にかけて雌での発現が亢進することで消失する。(3)副腎皮膚における発現も、この組織が腹腔内に現われる以前に認められ、高い発現が成獣まで続く。副腎における発現には、性に依存した発現量の差は認められない。(4)脳下垂体ゴナドトロプ、視床下部腹内側核においても発現が認められた。これらの細胞には胎性期にAd4BPの発現が認められ、特に視床下部腹内側核の原基となる細胞集団が同定された。 2、次に、Ad4BP遺伝子のノックアウトマウスの解析より以下の結果を得た。(1)Ad4BP遺伝子の破壊により、これらマウスは生後1週前後に死ぬ。(2)ノックアウトマウスには、副腎と性腺が認められず外性器は雌方を示した。(3)脳下垂体ゴナドトロプの減少と、ゴナドトロプにおけるLH/FSHの著しい発現低下が認められた。(4)視床下部腹内側核における神経細胞の減少は認められなかったが、腹内側核としての形態を有していなかった。 3、更に、Ad4BP遺伝子の転写調節機構の解析を行った。(1)本遺伝子には複数の第一エクソンが存在したが、これらのエクソンの使用頻度は組織や時期で差は認められなかった。(2)本遺伝子の転写は、第一エクソン上流に存在するE-boxと第一イントロンに存在するAd4配列により調節される。(3)E-box結合タンパク質はAd4BPの発現と類似したパターンをとる。(4)胎性期及び新生児期の精巣から調製されたcDNAライブラリーより、E-box結合タンパク質の一種が単離された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ken-ichirou Morohashi: "Functional difference between Ad4BP and ELP, and their distri-butions in steroidogenic tissues." Mol. Endocrinol.8. 643-653 (1994)
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[Publications] Osamu Hatano: "Sex-dependent expression of a transcription factor, Ad4BP, regulating steroido-genic P-45 genes in the gonads during prenatal and postnatal rat development." Development. 120. 2787-2797 (1994)
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[Publications] Masatoshi Nomura: "An E box element is required for the expression of the ad4bp gene, a mammalian homologue of ftz-fl gene, which is essential for adrenal and gonadal development." J. Biol. Chem.270. 7453-7461 (1995)
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[Publications] Hironobu Sasano: "Ad4BP in the human adrenal cortex and its disorders." J. Clin. Endocrinol. Metab.80. 2378-2380 (1995)
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[Publications] Koh Shinoda: "Developmental defects of the ventromedial hypothalamic nucleus and pituitary gonadotroph in the Ftz-Fl disrupted mice." Develop. Dynam.204. 22-29 (1995)
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[Publications] Kazuto Takayama: "Immunohistochemical localization of Ad4-binding protein with correlation to ste-roidogenic enzyme expression in cycling human ovaries and sex cord stromal tumors" J. Clin. Endocrinol. Metab.80. 2815-2821 (1995)