1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 講師 (20135693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
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Keywords | ニューロフィラメント / リン酸化 / 培養細胞 / 細胞内微量注入 / NF-H遺伝子 / クロスブリッジ / 免疫細胞化学 / 急速凍結ディープエッチング |
Research Abstract |
ニューロフィラメント(NF)は3種類のサブユニット蛋白から構成されるが、この3種類のうち最大分子量のNF-Hは軸索で極めてリン酸化されているが、樹状突起ではほとんどリン酸化されない。私たちは今までこのリン酸化NF-Hが軸索でのNF間のコアフィラメント同士の架橋即ちクロスブッリジの形成に本質的役割を果たしている種々の証拠を提出してきた。本年度はこれを実証するため非神経培養細胞である線維芽細胞及び星状膠細胞と、神経細胞の性質を持つ培養細胞である分化したニューロブロストーマ細胞とPC12細胞を用いて、NF-Hサブユニット蛋白を直接細胞内に注入する方法とNF-HのcDNAを細胞に導入しNF-Hを過剰発現させることによって細胞骨格系、特に中間径フィラメント系がどのように変化するか免疫細胞化学的手法並びに急速凍結ディープエッチ法を用いて検索した。NF-H蛋白を注入すると、非神経細胞においては線維芽細胞ではビメンチンフィラメントに、星状膠細胞ではグリアフィラメントに組み込まれている所見を得、NF-HはNF以外の他の中間径フィラメント蛋白とも一緒に重合することが解かった。この場合、NF-Hがリン酸化していない方が、フィラメントには組み込まれやすいことも解かった。これらの中間径フィラメント間にはクロスブリッジが見られたが、in vivo神経細胞の軸索に見られるNFほどは発達しておらず、またリン酸化によってクロスブリッジの発達に有意な差が見られなかった。この点に関しては今後更に検討する方針である。NF-Hのニューロブラストーマ細胞とPC12細胞への注入ではNF-HがNFによく組み込まれていおり、これらのNFのNF-Hは注入したNF-Hのリン酸化の程度にかかわらず、良くリン酸化されるようになる。クロスブリッジも期待したとおり有意に増加することが解かった。NF-Hの遺伝子導入に関しては、非神経細胞に導入することにより、NF-H蛋白を発現させることができ、どのように中間径フィラメントに関連するかを検索中である。
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[Publications] Takeda,M.et al.: "Neurojilament pathology of Alzheimer's disease : neurofilament accimulation in duced by Alzheimer buffy ceat." Res.Adv.Alzheimer's Disesge Related Disorders. 553-559 (1995)
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[Publications] Gotow,T.: "Dynamic stracture and function of neurofilaments" Ann.Dsychiat.5. 91-111 (1995)
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[Publications] Takeda,M et al.: "Neurofilament pathology in neurodegenerative process of Alzheimer disease" Ann,Psychiat.5. 113-126 (1995)
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[Publications] 後藤隆洋: "ニューロフィラメントの構築とリン酸化との関係" 医学のあゆみ. 175. 736-737 (1995)