1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 講師 (20135693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 教授 (00179649)
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Keywords | ニューロフィラメント / ニューロフィラメントH蛋白質 / リン酸化 / 微細管 / ミトコンドリア / クロスブリッジ / MAP2 / ポーリン |
Research Abstract |
本年度は私とフランス人研究者であるDr.Jean-Francois Leterrierとの共同研究が日本学術振興会とフランス国立保健医学研究所との間で認められ、彼が本研究に加わり、ニューロフィラメント(NF)と微細管或いはミトコンドリアとの相互作用をin vitroで解析した。ラット脳からマイルドにホモジェナイズしできるだけ長い状態のNFを精製し、得られたNFの一部をアルカリフォスファターゼで強制的に脱リン酸化し、それらリン酸化の程度が異なるNFを同様に精製された微細管或いはミトコンドリアとincubationし、それを電顕及びSDS-PAGE及びウエスタンブロットでその相互作用を検索した。電顕観察ではNFは微細管と混在して見られ、両者の間にクロスブリッジ様の構造が存在する可能性が示唆されたが、ディープエッチ法での確認はまだ行なっていない。凍結切片を用いた免疫電顕法ではNFと微細管との間にNF-H及びMAP2の抗体で標識される領域が存在し、両者の間に形成されるクロスブリッジが少なくともNF-HとMAP2から形成されることが示唆された。NFとミトコンドリアとの関係についても、通常の電顕観察で両者の間にクロスブリッジ様の構造が見られ、免疫電顕でこの部分にNF-Hの標識が見られ、NFとミトコンドリアがNFの主要なクロスブリッジ構成要素であるNF-Hを介して相互作用することが考えられる。NFと連結すると思われる部位のミトコンドリアの外膜には外膜のチャネル蛋白であるポーリンの免疫反応産物が見られ、このことから更にNF-Hとポーリンが直接結合する可能性が示唆された。NFのリン酸化の程度による相互作用に関しては現時点においては生化学的にも形態学的にも有意な差が見られなく、今後更に検索を続ける予定である。
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