1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680750
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 近畿大学, 医学部, 教授 (10014177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 晃 近畿大学, 医学部, 講師 (40192108)
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Keywords | アストロサイト / 膜内粒子 / 細胞外マトリックス / 細胞培養 / Na,K-ATPase / P糖タンパク |
Research Abstract |
脳において、基底膜と接触するアストロサイトの形質膜部分には、小型膜内粒子が四角配列した、Assemblyとよばれる特異な粒子集合体が高密度に分布している。しかし、このAssemblyの機能はまったく判っていない。そこで培養アストロサイトを用いて、Assemblyが強く発現される条件を見出し、遺伝子工学技術を使って、Assemblyをコードすると考えられるcDNAの塩基配列を明らかにできれば、Assemblyの機能解明に到達できると考えた。そのためには"培養アストロサイトにおいて、確実にAssemblyの発現促進条件を見出すこと"が出発点であり、本研究の目的であった。私どもは、Assemblyが高密度に分布する形質膜が常に基底膜と接触している事実に着目し、アストロサイトを細胞外マトリックス(ECM)成分でコートした培養皿で培養すると、ECM成分でコートしない場合に比べて、Assemblyの発現が促進されるのではないかと予想して実験を行ってきた。昨年までに、生後5日目のマウス大脳由来のアストロサイトを、IV型コラーゲン、ラミニン、およびフィブロネクチンの混合液でコートした培養皿で培養し、Assemblyの分布密度を対照群と比較する実験を2回行った。そして、密度が2〜7倍増加することが判明した。本年度に得られた実験結果は以下の通りである。 (1)3回目の同様な実験を行い、密度が2倍増加する実験結果を得、これまでの実験結果を裏付けることができた。と同時に、ECM成分はAssemblyを発現していないアストロサイトの一部に新たにAssemblyを発現させる効果をも持っていることが判明した。 (2)Assemblyが、P糖蛋白あるいはNa,K-ATPaseのβsubunitではないかと予想し、これらの膜蛋白質を強く発現している細胞を凍結割断法で調べた。しかし、予想に反して、Assemblyは観察されなかった。
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Research Products
(1 results)