1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性胸脊髄炎と神経移植におけるサイトカインの役割
Project/Area Number |
06680751
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
松本 陽 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副参事研究員 (90173921)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 聡 新潟大学, 胸研究所・神経病理, 助手 (90202663)
石原 好弘 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副参事研究員 (50079711)
|
Keywords | 自己免疫性脳脊髄炎 / 神経移植 / サイトカイン / quantitative PCR / in situ RT-PCR |
Research Abstract |
中枢神経系においては免疫系と同様に多種の生理活性物質、即ちサイトカインが産生され、細胞間相互作用に関わっていることが、最近明らかになりつつある。自己免疫性神経疾患においては、脳細胞-脳細胞間だけでなく、脳実質に浸潤したT細胞とそれに反応する脳細胞との間にも明らかな相互作用が成立していることを以前示した。 本年度は自己免疫性脳脊髄炎と神経移植を作成し、免疫染色によって浸潤T細胞と脳細胞の位置関係を確認した後、以下の検索を行なった。まず、サイトカイン蛋白を組織上で同定するため、特異抗体を用いた免疫染色を行なった。しかしながら、サイトカインは液性因子でかつ微量で生理活性を示すことから、これを病変部で同定したり、直接抽出して蛋白量を測定するのは困難であった。そこで、次の2つの方法でEAE病変部のサイトカインmRNAの検索を行なった。第1はquantitative PCRで、EAEの各病期より分離した炎症細胞よりmRNAを抽出してRT-PCRを行ない、サイトカインを半定量した。第2はin situ RT-PCRで、切片上でRT-PCRを行ない、各種サイトカインmRNA産生細胞の局在を同定した。その結果、TGF-β1 mRNAをはじめとする炎症抑制性サイトカインは病期の進行と共に増加して炎症病変を収束させることが明かとなった。situ RT-PCRでは、炎症細胞とミクログリア上にmRNAが存在することが判明した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.Matsumoto et al.: "Lack of “Determinant Spcead"・・・" Cell.Immunol. 155. 517-523 (1994)
-
[Publications] M.Tsuchida et al.: "Identification of CD4^-CD8^-dβT ceels・・・" Immunology. 81. 420-427 (1994)
-
[Publications] Y.Matsumoto: "Role of microglia・・・" Neuropathol.Applied Neurobiol.20. 196-198 (1994)