1994 Fiscal Year Annual Research Report
海馬錐体細胞における機能的膜電位感受性カルシウムチャンネルの分布に関する研究
Project/Area Number |
06680752
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50227906)
|
Keywords | 神経細胞 / カルシウムチャンネル / イオン濃度画像解析 |
Research Abstract |
海馬錐体細胞には、細胞体から樹状突起にわたって、数種類の膜電位感受性カルシウム(Ca)チャネル(T,N,L,Pサブタイプ等)が分布しており、細胞の活動に際して、これらのチャネルからのCaの流入が起きる。本研究の目的は、細胞体から樹状突起にわたる各部位において、それぞれのチャネルが、Ca流入に、どれほど寄与しているのかを調べ、機能的なCaチャネルの分布を明らかにすることであった。 我々は、つぎのようにして研究を行った。;ラット脳海馬スライス標本内の単一錐体細胞に対して高速Ca画像解析を行う。脱分極性通電により細胞に活動電位を発生させ、その際のCa変動の時・空間分布を記録する。興奮性および抑制性シナプス伝達は、それぞれ拮抗薬でブロックしておく。各Caチャネルサブタイプに対する選択的阻止薬が、Ca変動の時・空間分布をどのように変化させるかを観察する。 以下のことが分かった。1)高閾値Caチャネル(L,N,P,Q)は細胞体および近位樹状突起に分布する。2)低閾値Caチャネル(T)および、その他のニッケル感受性Caチャネル(R?)はより遠位の樹状突起に分布する。 この結果は、異なるCaチャネルが異なる機能を異なる部位で果たしていることを示唆している。また、この結果は、これまでの免疫組織学的方法によって得られた知見と異なっている。このことは、既に存在するチャネルであっても、それが機能を果たすためには、何等かの活性化の過程が必要なことを示唆している。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] B.R.Christie,L.S.Eliot,K,Ito,H.Miyakawa & D.Johnston,: "Different Ca2+channels in soma and dendrite mediate spike-induced Ca2+influx" Journal of Neurophysiology. In the press.