1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質における脳ピリドキサルキナーゼの調節機構の解明
Project/Area Number |
06680768
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大川 清 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90112812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 敬 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90221506)
朝倉 正 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30138705)
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Keywords | ビタミンB_6 / ピリドキサルキナーゼ / 神経伝達物質 / ピリドキサルリン酸 |
Research Abstract |
昨年度得られたラット抗ウシ脳ピリドキサルキナーゼ(PL-K)抗体の家兎、ハムスターとその交叉反応性を利用して、脳内生理活性アミン変動時のハムスター脳内PL-Kの変化を検討した。その結果、レゼルピン投与によるハムスター脳内ドーパミン、セロトニンの枯渇やデオキシピリドキシン投与でのピリドキサルリン酸(PLP)量減少はPL-Kの活性ならびに抗PL-K抗体によるウェスタンブロットで確認した蛋白量に有意な変動を及ぼさなかった。逆に、ATP依存性のピリドキサルのリン酸化による産生PLP量でみたPL-K活性はドーパミンやセロトニンの添加でむしろ阻害された。特にドーパミンはPLPと不可逆的に直接結合することが判明し、この結合物はPLPとは異なり補酵素としての作用は認められなかった。同様の結果はマウス脳でも確認され、従来考えられていたようにPLP量はPL-Kの活性あるいは量的変動を介し調節されるよりは、生理活性アミン量の変動が脳内PLP量を直接調節している可能性が強く示唆された。得られた抗体を用いたPL-K遺伝子クローニングはPL-Kメッセージ発現量の高い細胞が得られず努力中ではあるが未だ成功していない。この遺伝子のクローニングの終了で蛋白レベルで目安のついた生理活性アミンの脳内PLP量調節機構の存在とこの調節機構へのPL-Kの関与の程度が遺伝子レベルで明確になることが本研究の最終目的である。
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[Publications] Kamikubo, T., et al.: "Lack of effect of transient ischemia on ubiquitin conjugation." Neurochem. Res.20. 391-394 (1995)
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[Publications] Takada, K. et al: "Immunoassay for the quantification of intracellular multiubiquitin chains." Eur. J. Biochem.233. 42-47 (1995)
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[Publications] Asakura, T., et al: "Regulation of pyridoxal-5'-phosphate level by biogenic amine in mouse brain." Neurochem. Res.21(in press). (1996)
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[Publications] Kamikubo, T., et al.: "Changes in proteasome activity following transient ischemia." Neurochem. Int.28. 209-212 (1996)
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[Publications] Noga, M., et al.: "Ubiquitin gene expression following transient forebrain ischemia." Mol. Brain Res.(in press). (1996)