1994 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロン樹状突起にあるBC-1RNAタンパク複合体の機能と局在機構
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06680770
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安西 偕二郎 日本大学, 薬学部, 助教授 (30114359)
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Keywords | 反復遺伝子 / 低分子量RNA / 神経細胞 / 樹状突起RNA / タンパク合成 / RNA輸送 / リボ核タンパク / シナプス |
Research Abstract |
BC-1RNAはケッ歯類の神経系で発現する分子量の小さいRNAである。樹状突起にあり、Spine synapse部にある事から情報受容の過程で機能していると考えられている。殊にdendritic mRNAsのシナプス部への輸送や、当該部での翻訳反応に関与すると考えられ解析が進められている。このRNAは神経系に特異的であるばかりでなく、シナプス形成の盛んな時期に著しく増加する事から神経系の形成ばかりでなく維持や、再生、可塑的変換過程でも桟のうしている事が考えられる。従ってそのRNAが果たす役割や、シナプス部への輸送機構を調べる事は大変に重要でかつ興味ぶかい。これまで神経由来の初代培養系、株化細胞を用いて主に解析を試みて来たが、種々の困難があった。解析過程で、このRNA(RNP)が骨格筋細胞で発現している事を見出したので本年度半ばに実験系を変更した。その結果、次の事柄が観察された。 (1)骨格筋が運動神経の支配(多重支配)をうける胎生期に多く、誕生後のシナプスの成熟に伴い減少した。この発現の様式は時間経過的には脳とまったく異なる(脳では生後2wks〜4wksで)(著しくふえる)が、シナプス形成という点からはまったく同じである。 (2)除神経操作をおこなうと、Pセチルコリン受容体αサブユニットmRNAのup-regulationと同一の時間経過で増加した。 (3)その増加は速筋で大きくおこり遅筋では殆どおこらない。この事はPセチルコリン受容体mRNAの場合とまったく同じである。以上の事から我々はこのRNAが、シナプス形成にかかわる反応-例えばポストシナプス部での役割や、プレシナプス部運動神経へのガイド、栄養的因子を介した働き等-を想定している。最近このRNAは成熟した筋の中の恐らくはtupeII筋中で、発現している事を示すinsituのhybridizationの結果をえている。ヒト筋でもヒトAluをもつBC-200RNAが発現している事と合せ、大変に興味ぶかい。輸送機構については現在十分な解析が進んでいないが、in vitroで神経筋接合部形成を行なわせた上で実施する予定である。
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[Publications] Ishiguro,K.,Kobayashi,S.,Omori,A.,Takamatsu,M.,Yonekura,S.,Anzai,K.,Imaboi,K., Uchida,T.: "Identification of He 23kDa subunit of tau prutein kinase II as a putative activontor of cdk5 in bovine brain" FEBS Letters. 342. 203-208 (1994)
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[Publications] Ito,Y.,Ishige,K.,Zaitsu,E.,Anzai,K.,Fukuda,H.: "Gamma-hydroxybutyric Acid Increases Intracellular Ca^<2+> Concentration and Nudear in Cultured cudicAMPResponsive Element-and Activator Protein1 DNA binding Activities through GABAB Raeptor Cevehillar Gianter cells" JOURNAL OF NEUROCHEMISTRY. ((in press))