1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680777
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木内 一壽 理化学研究所, フロンティア研究システム・バイオミメティックコントロール研究センター, チームリーダー (30135339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 健一 名古屋大学, 医学部・免疫学講座, 助教授 (20151441)
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Keywords | ドーパミン神経 / グリア細胞 / NO合成酵素 / MPTP / GDNF |
Research Abstract |
マウスにMPTPを投与した場合、MPTPはグリア細胞に取り込まれ、代謝されMPP^+が生成する。その際、グリア細胞において誘導性NO合成酵素(iNOS)あるいはドーパミン神経の生存に影響を及ぼすグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)がどの様に変化するか明らかでない。NOは周囲を取り巻く環境の酸化還元状態により神経に対し保護作用だけでなく毒性も兼ね備えていると考えられている。特に、ドーパミン神経ではMPP^+が取り込まれた場合ニューロメラニンとの相互作用によりスーパーオキサイドアニオンを生じ、NOが保護因子としてではなく細胞毒としての作用を発揮する可能性がある。一方、GDNFはドーパミン神経に対する神経栄養因子であり、NOの毒性からドーパミン神経を救う可能性がある。 今年度の成果は、グリア細胞におけるNOに関しては、誘導性NO合成酵素(iNOS)の抗体を作製し、グリア細胞におけるiNOSの誘導を蛋白質レベルにて分析する系を確立した。現在、MPTPおよびMPP^+のグリア細胞でのiNOS誘導に及ぼす影響について調べている。一方、GDNFに関しては、マウスGDNFのcDNAをクローニングし、蛋白質を発現させることができた。ラット胎児の中脳からのドーパミン神経細胞の初代培養系においてMPP^+存在下におけるドーパミン神経の生存に対してGDNFは保護効果を示すが、現在、MPP^+およびNOが関与した場合におけるGDNFのドーパミン神経の生存に及ぼす影響を検討中である。 来年度は、MPTP投与マウスにおけるNOのドーパミン神経に及ぼす影響について、チロシン水酸化酵素、GDNF等の遺伝子に焦点を当て、解析を進めていく。
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