1994 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカンによる視床下部-下垂体系賦活化における脳内-酸化窒素の役割について
Project/Area Number |
06680788
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小牧 元 九州大学, 医学部, 助手 (70225564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 伸行 九州大学, 医学部, 助手 (20225527)
松林 直 九州大学, 医学部, 助手 (70199834)
玉井 一 九州大学, 医学部, 助教授 (00128050)
野崎 剛弘 九州大学, 医学部, 医員
瀧井 正人 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | ストレス / インターロイキン-1β / サイトカイン / プロスタグランディンE_2 / 一酸化窒素 / 終板器官 / 視床下部 / ACTH |
Research Abstract |
近年、ストレスに対する生態防御の観点から、免疫系と視床下部-下垂体-副腎系との関連が注目されてきた。特にサイトカインの一種であるインターロイキン‐1β(IL-1β)がこの免疫系と中枢神経系を仲介する、主要な免疫メディエーターの一つであることが明らかになっている。このIL-1βの同系に対する賦活作用には、視床下部の室傍核(PVN)におけるCRFニューロンの活動が促される必要があるが、血中のIL-1βがいかにして同ニューロンを刺激するのか未だ確定した結論には到っていない。我々は視床下部の終板器官(OVLT)が、その血中のIL-1βが作用する主なゲートの一つである可能性を、同部位にIL-1レセプター・アンタゴニストを前処置することにより確認したところ、血中IL-1β投与によるACTHの上昇は有意に抑制された。一方、一酸化窒素(NO)が脳内でニューロトランスミッターとして働いていることが判明し、特に、NOがアストロサイトからのPGE2産生やCRFやLHRH分泌調節に直接かかわっている可能性がある。そこで、マイクロダイアリシスを用いて、同部位のNO産生との関わりをさぐるために、L‐Arginineをチューブ内に流し、IL-1βによるPGE2産生の変化を見たところ、有意な抑制傾向は認めなかった。しかし、フローベの長さの問題、L‐Arginineの濃度の問題もあり、容量依存生の確認、他の部位との比較まで至っておらず、結論は現在まで至っていない。今後、容量、他のNO産生関連の薬物投与も試みて、確認して行く予定である。
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