1995 Fiscal Year Annual Research Report
ATP依存性K^+チャネルおよびセロトニン感受性K^+チャネルの構造と機能解析
Project/Area Number |
06680797
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Research Institution | INTERNATIONAL INSTITUTE FOR ADVANCED STUDIES |
Principal Investigator |
久保 泰 (財)国際高等研究所, 研究部, 研究員 (10178030)
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Keywords | セロトニン感受性K^+チャネル / ATP依存性K^+チャネル / 内向整流性K^+チャネル / アメフラシ / 中枢神経系 |
Research Abstract |
(1)平成6年度、電気生理学的に“セロトニン感受性K^+チャネル"の存在が確認されているアメフラシ腹部神経節のcDNAライブラリーを検索し、高等動物では報告されていない新種のK^+チャネル、aKv5.1及びaKv6.1cDNAの単離を報告した。また、発現実験により、aKv5.1が神経細胞の静止膜電位及び発火のコントロールに寄与することを示した。平成7年度はさらに、もう一方のaKv6.1についてアミノ酸末端を含むcDNAクローンを単離し、aKv6.1の一次構造及びチャネル特性を解析した。その結果、aKv6.1は推定膜貫通領域S1、S2間が他のK^+チャネルと比較して90アミノ酸残基も長く、またその電気生理学特性は活性化過程が遅く不活性化が見られないなど、既知のK^+チャネルにはない構造的、機能的特性を有することが明らかになった。現在、アメフラシ神経細胞においてこれらの新種K^+チャネルとセロトニン受容体との共発現、再構成実験により、セロトニン感受性K^+チャネルと近い特性を持つ可能性について検証を行っている。 “ATP依存性K^+チャネル"については、マウス及びヒト脾臓cDNAライブラリーよりcDNAの単離を試みていたが、清野らにより、脾臓β細胞ATP依存性K^+チャネルの構造と機能解析の報告があった。このチャネルは既知の内向整流性K^+チャネルと同じく膜二回貫通型の構造特性を有する。これらのチャネルに共通して、推定膜領域及びその周辺でアミノ酸配列が良く保存されており、我々はこれらの領域よりデザインしたprimerを用いて、脳神経系に存在するATP依存性K^+チャネルのスクリーニングを行った。その結果、内向整流K^+チャネルの構造的特徴を有する複数のクローンを単離した。新たに、IRK2,IRK3,GIRK2,GIRK3cDNAを単離し、RNA blotting法よりこれらが脳に局在することを明らかにした。また、これらのチャネルにおいて、いくつかのvariantの存在を確認した。
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