1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨盤神経節の自律神経遠心路喪失後の機能回腹機構の解明
Project/Area Number |
06680815
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河谷 正仁 秋田大学, 医学部, 教授 (00177700)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 実 秋田大学, 医学部, 助手 (60111324)
|
Keywords | 骨盤神経節 / 求心性線維 / slow EPSP / 膀胱 / 自律神経 / ネコ |
Research Abstract |
20匹の猫の一側の仙髄の前根と後根を切断(S1〜S3)し、7〜12週間後に麻酔に正常側ならびに切断側の骨盤神経節を周囲結合組織を含めて摘出し3MKCl電極を用いて興奮性の特徴について検討した。細胞内電位記録は計172細胞にて行なった。細胞膜電位は平均-62±7.2mVで正常と有為差は認められなかった。EPSP数は1〜3ケで1つ1つの電位は5-9mVあり、正常の4-9ケの入力数で1つあたり2-4mVに比べて、大きくて少ない入力により活動電位が発生することが認められた。下腹神経性興奮入力は87%の細胞に認められ、正常の0〜3%と大きく違って明らかな自律神経の可塑性が認められた。自発性放電は32%の細胞で認められた。70%の細胞で骨盤神経を高頻度高電圧(10Hz<、20V<)で数秒間連続刺激すると刺激終了後数秒した後に漸増する一過性の放電が認められた。この放電は30秒〜数分間持続した。この骨盤神経刺激では90%の細胞ではfast EPSPは認めなかった。したがって新しい形のslow EPSPをきたす機構の発現が予想された。 in vivoの実験で求心性伝達物質の1つであるサブスタンスPによる放電の発生閾値が対照群の100分の1となった。したがって前述のslow EPSPがこのタヒキニンによるものと予想され今後NK1、NK2受容体拮抗剤を用いた検討を予定している。
|