1994 Fiscal Year Annual Research Report
マウス及びヒト抗c-erbB-2抗体を用いたヒト腫瘍治療実験モデルの作製
Project/Area Number |
06680838
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
島村 和男 東海大学, 医学部, 講師 (00119679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 裕 東海大学, 医学部, 講師 (20163975)
玉置 憲一 東海大学, 医学部, 教授 (50055860)
上山 義人 東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
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Keywords | c-erbB-2 / SCID mouse / human gastric carcinoma / monoclonal antibody / immunotherapy |
Research Abstract |
平成6年度は乳癌、胃癌、肺癌等のヒト腺癌株に関して、Western blot法とNortherm blot法を用いてc-erbB-2遺伝子産物の発現を比較検討した。さらに重症免疫不全(SCID)マウスへの可移植性を比較・検討し、SCIDマウスに可移植性ののc-erbB-2強発現ヒト胃癌株4-1STと、対照としてSCIDマウスに可移植性のc-erbB-2非発現ヒト胃癌株St-15を選択、以下の結果を得た。 (1)ヒト腫瘍のマウス移植性に対するマウス型抗体の影響:0.2x10^5個、あるいは1x10^5個の4-1STをSCIDマウス皮下に移植し、c-erbB-2遺伝子物産に対するマウス型モノクローナル抗体“mu4D5(12mg)を投与した場合には、4-1STはSCIDマウス皮下に腫瘍を形成する事はなかったが、対照としてHB virusに対するモノクローナル抗体HBs(12mg)を投与した場合には、全てのSCIDマウスに皮下腫瘍を形成した。 (2)ヒト腫瘍の増殖抑制に関するマウス型抗体の影響:5x10^5個の4-1ST、あるいはSt-15をSCIDマウスに移植し、100-300mm^3の皮下腫瘍を形成させた後、36mg/kgの4D5あるいはHBsをSCIDマウスに投与した。4-1STでは、4D5を投与した場合、一時腫瘍の大きさは減少したが、その後徐々に増大した。しかし、HBsを投与した場合には腫瘍の大きさは減少しなかった。一方、St-15では、4D5あるいはHBsを投与した場合、腫瘍の大きさは減弱しなかった。 さらに、36mg/kgの4D5を連続投与した場合、4-1STでは10日間以上にわたり、腫瘍の大きさが減少した。 (3)転移性肺腫瘍形成抑制に対するマウス型抗体の影響:4-1ST(1x10^6個)をマウス尾静脈から投与し、36mg/kgの4D5あるいはHBsを投与した。HBsを投与した場合には4D5投与後40-80日間で全てのマウスが肺転移腫瘍により死亡したが、4D5を投与した場合には全てのマウスが180日以上生存し、肺転移は見られなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yasuyuki,Ohnishi,Kazuo,Shimamura,etal.: "“Prolonged survival of mice with human gastric cancer treated with an anti-c-erbB-2 monoclonal antibody"" British Jourrnal of Cancer. 71(in press). (1995)