1994 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病発症機構解明のためのNODコンジェニックマウス系統の確立
Project/Area Number |
06680840
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
若菜 茂晴 (財)実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 研究員 (90192434)
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Keywords | NOD / 糖尿病感受性遺伝子 / コンジュニックマウス / マイクロサテライト |
Research Abstract |
1-(1)NODコンジェニックマウス系統の確立:糖尿病感受性遺伝子Idd-3およびIdd-4についてコンジェニックマウスを作製した。NOD/Shiに日本産野生由来の近交系マウスMSM交配したF1にNOD/Shiをbackcrossし、Idd-3およびIdd-4領域を挟むマイクロサテライトマーカーを指標としてMSM由来の染色体を導入した個体を選抜し、順次この交配を繰り返しN12代まで達した。さらに、各コンジェニック系統についてインタークロス(NOD.Idd-3^<nod/msm>xNOD.Idd-3^<nod/msm>,NOD.Idd-4^<nod/msm>xNOD.Idd-4^<nod/msm>)を行い、野生型のホモタイプ(NOD.Idd-3^<msm/msm>,NOD.Idd-4^<msm/msm>)を選抜した。1-(2)ダブルコンジェニックマウスの作製:1-(1)で作製した2つのコンジェニックマウスNOD.Idd-3^<nod/msm>とNOD.Idd-4^<nod/msm>を交配してダブルコンジェニックマウスNOD.Idd-3^<nod/msm>Idd-4^<nod/msm>を作製した。 2.コンジェニック系統の糖尿病解析:1で作製した2系統のコンジェニックマウスおよび1系統のダブルコンジェニックマウスについて糖尿および膵島炎(Insulitis)を調べた。第3染色体上のIdd-3領域単独のコンジェニックマウスNOD.Idd-3^<msm/msm>では明らかにMSM系統由来の遺伝子によって糖尿および膵島炎の発症の低下が見られた。一方、第11染色体上のIdd-4領域単独のコンジェニックマウスNOD.Idd-4^<msm/msm>においてはMSM系統由来の遺伝子によっても糖尿および膵島炎の顕著な低下は認められなかった。これに対して、Idd-3及びIdd-4の両遺伝子座領域にMSM系統由来の遺伝子をもったダブルコンジェニックマウスNOD.Idd-3^<nod/msm>Idd-4^<nod/msm>ではIdd-3単独にMSMの遺伝子領域をもつマウスよりも有意に膵島炎の発症率が高く、なおかつリンパ球浸潤の程度が烈しいことが明らかになった。このことより糖尿病感受性遺伝子Iddの中にはNOD由来の遺伝子座よりも糖尿病発症に関して高い感受性を示す遺伝子座をもつ系統MSMが存在することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Wakana.S: "High resolution linkage map of mouse chromosomellconsisting of microsatellte" Genetics in Wild Mice(eds.K.Moriwaki). 299-302 (1994)
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[Publications] 若菜茂晴: "マウスを用いた疾患遺伝子のポジショナルクローニング" アニテックス. 6. 24-29 (1994)
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[Publications] Suda,T: "Novel mouse microsatellites:Primer Sequeence and chromosome location" DNA Research. 1. 169-174 (1994)