1994 Fiscal Year Annual Research Report
表面の環境応答性を制御した生体機能材料としての多相高分子の分子設計
Project/Area Number |
06680850
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 育志 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80155457)
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Keywords | 多相高分子 / 表面環境応答性 / 界面自由エネルギー / 結晶状態 / ガラス状態 |
Research Abstract |
人工生体材料において、生体組織と直接接触・相互作用する材料表面の制御は極めて重要である。多相高分子は接触媒体等の表面環境と成分鎖との相互作用に基づき表面構造を変化させる。多相高分子におけるこのような表面構造の環境応答性を接触媒体と成分鎖の相互作用(界面自由エネルギー)ばかりでなく結晶・非晶、ガラス状態等の物理的性質にも着目し評価した。 本年度においては、まず第一に、分子の集合体特性と表面の環境応答性との関係を得るために結晶性成分鎖とガラス状成分鎖から成るグラフト共重合体および高分子網目における表面組成の環境応答挙動を評価した。その結果、結晶性高分子の融点以下では環境応答性が認められなかったが、融点以上では、一方の成分鎖がガラス状態にあるにもかかわらず大きい環境応答を示し、表面の環境応答挙動は、分子の集合体特性と密接に関連することが確認された。第2に表面自由エネルギーおよび成分鎖の配列様式と表面の環境応答との関連を追及するために、3成分から成るモデルグラフト高分子の合成を行い、その表面組成の環境応答性の予備実験を行った。その結果、成分鎖の表面自由エネルギーと配列様式の競合が表面環境応答に影響することが示唆された。
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