1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい選挙報道のあり方が受け手の政治的情報過程におよぼす効果
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06710070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 哲郎 東京大学, 文学部, 助手 (10242083)
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Keywords | 政治的コミュニケーション / 政治的知識 / 政治的認知 / マスメディア接触 / マス・コミュニケーション効果 |
Research Abstract |
今回の研究においては基礎的な作業としてマス・コミュニケーションが政治的認知にあたえる影響についての最近の研究のレビューをおこなった。 マス・コミュニケーションと政治的認知に関わる分野で、現在研究の多くを占めているのが、テレビのニュースが政治的認知にあたえる影響である。そのなかで、まず研究の対象となったのが、マスメディアにより報道される争点の優先順位と有権者が認知する争点の優先順位との関連、いわゆるメディアの議題設定機能の研究であるが、これらはごく少数の例外を除いて認められていた。また、最近では、プライミング効果、すなわちニュースでよく描かれた争点が、政治家に対する判断基準として重視される効果、についての研究がLyenar&Kinde(1987)をはじめとして進められているが、これらはあくまでもニュースについて焦点をあてていたものだった。 今回の研究の焦点のひとつであった番組のタイプとの関連についてはChaffee et al.(1994)の研究がある。彼らは、1992年の大統領選挙において2つの州において調査をおこない政治的知識とメディア接触、特に1992年の選挙に特有のト-ク・ショーやインタビュー番組との関連を探り、これらの新たな番組形態への接触が「政党」でなく「候補者」についての知識と関連があることを明らかにした。しかし、この研究は、サンプルや調査項目の選択など方法論的にも欠陥が多く見られる。また、実験的な研究でないために、因果関係についても十分な検討が加えられていない。今後は番組のタイプと政治的認知に関する実験的研究が必要とされるであろう。
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