1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06710073
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂元 章 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (00205759)
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Keywords | 認知的複雑性 / 発達 / Repテスト / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生 |
Research Abstract |
本研究は、好意性の意味あいの強い形容詞対だけではなく、さまざまな意味あいの形容詞対を含んだRepテストを作成し、それを、小学生〜大学生に実施することを通して、認知的複雑性の発達的変化を調べようとしたものであった。認知的複雑性は、坂元(1993)に基づいて、加齢とともに、一旦、低下し、そして上昇するというU字形変化を辿ると予測された。 申請者は、第1に、Repテストに使用する形容詞対を選定するための予備調査を行った。小学生126名、中学生267名、高校生233名、大学生306名に、好きな人物、嫌いな人物、自分自身の特徴を示す形容詞とその反意語を4つ書き出させ、3名の評定者に、その形容詞と反意語の対を8つの意味カテゴリー(社会的な望ましさ、個人的な親しみやすさ、など)に分類させた。そして、それぞれの分類から2つずつの形容詞対を、頻度の高いものから抜き出し、それを、Repテストで使用する16の形容詞対とした。 申請者は、第2に、そうして作成されたRepテストを、122名の小学生、257名の中学生、367名の高校生、72名の大学生に実施し、認知的複雑性の発達的変化を調べた。それぞれの被験者の認知的複雑性を、さまざまな指標(形容詞対の相関行列の第1固有値など)で求めて、年齢ごとに平均値を求めたところ、いくつかの指標でU字形変化仮説を支持する結果が得られた。 この結果は、これまでの認知的複雑性の発達に関する研究で見られてきた、知見の混乱を統合的に説明するものである。
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