1994 Fiscal Year Annual Research Report
分裂病者の余暇活動からみた社会機能障害の特性分析-島しょ部における時間地理学的研究を通して-
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06710121
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上村 真紀 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助手 (30232797)
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Keywords | 精神分裂病 / 余暇活動 / 作業療法 |
Research Abstract |
25歳以上の慢性分裂病者31名(男22名、女性9名)を対象とし、作業質問紙による生活活動調査を平日と休日について行った。対象者の平均年齢は41.5±8.7歳(男性41.5±8.7歳、女性37.3±5.4歳)であった。 分裂病者の場合、平日の生活活動におけるレクリエーションは一日の活動の25.6%を占めていた。そして、休日では32.1%であった。、また、分裂病者自身は平日の47.9%を「生活課題」として捉えており、「遊び」は11.0%であった。休日については「遊び」は20.4%となっていた。そして平日の7割以上、休日の6割以上を重要な活動として位置づけており、一日の大半の活動について「よくやった」と満足感を持っていた。これらの結果は、生活の質に対する満足感や価値観の認知障害の存在を疑わせる。 また、余暇活動の占める割合は平日と休日では差がみられ、休日に余暇活動が増えることが判った(p<0.0001)。 分裂病者は生活活動が単純で、受け身的なものが多いこと、しかし、比較的楽しく満足して過ごしていることなどが明らかになった。今回の結果から分裂病者が自主的に楽しさを享受できる能力を開発する方向での援助が作業療法に必要になってくることが示唆された。
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