1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740034
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市川 尚志 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (20201923)
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Keywords | リーマン面 / クライン群 / 微分形式 / 周期積分 / テ-タ関数 / ソリトン方程式 / 局所体 / 代数曲線 |
Research Abstract |
局所体(複素数体,P進数体等)上の有限生成ショットキー群による不連続領域の商空間は,自然に有限種数代数曲線の構造を持つことが知られている.当研究では,このショットキー一意化理論の無限生成ショットキー群の場合への拡張と,ソリトン方程式系の無限次元解の構成への応用を試みた.得られた結果は次の通りである. 1.局所体上の無限生成ショットキー群から,その生成元の固有値の比の絶対値が漸近的に小さくなっていくとの仮定の下で,無限種数の解析曲線を構成した. 2.複素数体上のショットキー一意化された無限種数曲線が,そのハンドルの大きさ(ショットキー群の生成元の固有値の比の絶対値)が早く小さくなっていくとの仮定の下で,正規化された有理型1次微分形式と周期積分を持つことを示した. 3.P進数体上のショットキー一意化された無限種数曲線が,正規化された有理型1次微分形式と周期積分を持つことを示した. 4.ショットキー群の生成元の固定元と固有値の比を変数と見たとき,2及び3の微分形式,周期積分が整数係数の巾級数で普遍的に表されることを示した. 5.P進数体上の無限種数曲線のテ-タ関数を構成し,4を用いてそれがソリトン方程式系の解を与えることを示した(この解の無限次元性はまだ示されていない).
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