1994 Fiscal Year Annual Research Report
超幾何型差分作用素のスペクトル解析と量子群への応用
Project/Area Number |
06740093
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
筧 知之 筑波大学, 数学系, 講師 (70231248)
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Keywords | 超幾何型差分作用素 / 量子群 / スペクトル解析 / カシミール作用素 / 固有関数展開 / プランシュレルの定理 / strange series |
Research Abstract |
本研究の研究代表者は、次の1,2.について研究を行なった. 1.超幾何型差分作用素のスペクトル解析について. 量子群を研究する過程で.Gaussの超幾何微分作用素に類似の形.及び性質を持つ差分作用素が現われる.そこで、この型の差分作用素について、(1)スペクトルの具体的な構造、(2)固有関数系の具体的な表示、(3)固有関数展開の公式、(4)Green作用素の具体的な表示.等を調べた、その結果.(1)(2)(3)(4).の全てについて、かなり精密な.結果が得られた、例えば(2)については、固有関数をbasic hypergeometric furctionと呼ばれる特殊関数を用いて表わす事ができた. 2.量子群への応用について. 本研究では、主にnon-compact型量子群SUq(1,1)に対して、1で得られた結果を応用した、具体的には、SUq(1,1)に対して“量子化されたCartan分解"を見なせるものを構成し、それを用いて、SUq(1,1)のCasimir operatorを表示する事で、1で扱えるような超幾何型の差分作用素が現れる、これに、1の結果を適用する事で、(1).Casimir作用素に対するスペクトル分解定理、(2)連続スペクトルに対する、Plancherelの定理.を得る事ができた.この結果から得られる興味深い事実として、strange seriesの存在証明があげられる.量子群SUq(1,1)の場合には、古典群SU(1,1)とは全く異なる、正則かつ規約なユニタリー表現の系列が存在するのではないか、と予想されており、strange seriesという名前が付けられていた.本研究では.スペクトル解析の立場から、この未知の系列の存在証明に成功し、かつ具体的な表示を得た.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomoyuki KAKEHI: "Spectral anolysis of a q-difference operator which arises from the quarfum SU(1.1) group" Journal of Operator Theory. (発表予定).
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[Publications] Tomoyuki KAKEHI: "Range characterization of Raclon transforms on quaternicnic projective spaces" Mathematische Annalen. 300. 543-555 (1994)