1994 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換赤外分光法による星間分子の振動回転スペクトルの観測的研究
Project/Area Number |
06740184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平原 靖大 名古屋大学, 理学部, 助手 (30252224)
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Keywords | 星間分子 / フーリエ変換赤外分光 / 振動回転スペクトル / 不安定分子種 |
Research Abstract |
星間分子の振動回転スペクトルの観測的研究を行う上で必要な、赤外領域での超高波数分解能、高感度分光器の設計、製作を行った。具体的には、InSb2次元アレイ赤外検出器を入手し、高速なデータ取得および解析のためのハードウエア、およびソフトウエアの開発をディジタル・オシロスコープ、レギュレータ電源装置等を購入することによって行った。また、これらと組み合わせる液体窒素デゥワ-の設計を行った。更に、市販の高分解能フーリエ変換分光器、および国内外の赤外望遠鏡と組み合わせるための、光学系の設計、データ取得インターフェースの製作にも着手した。これにより、波数分解能10万をこえる超光分解能星間分子分光観測システムの総合的な性能テストを行うことが可能になった。この測定システムは、実験室分光において、バックグラウンド雑音の高い状態となる不安定分子の赤外発光分光にも応用する事ができ、短寿命分子のスペクトルの検出感度の向上にも寄与することが期待される。 また、赤外領域での観測計画と並行して、星間分子およびその候補となる不安定分子種のマイクロ波領域における実験、および観測を行った。これにより、硫黄を含む不安定分子種、HC_3S(^2II_r)およびHC_4S(^2II_i)を同定しその分子定数を決定、報告した。また、同じ硫黄を含む炭素鎖分子C_4S,およびC_5Sのスペクトル線の探査を暗黒星雲および晩期星大気にたいして行い、それらの存在量の上限値を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平原靖大、川口健太郎: "地球外有機分子の観測" 遊星人. 第3巻. 176-182 (1994)
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[Publications] S.Fukasaku,Y.Hirahara,et al.: "Observations of molecular envelopes of late-type stars:CRL618,CRL2688 CRL3068 and CIT6" Astrophys.J.437. 410-418 (1994)
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[Publications] Y.Hirahara et al.: "Pulsed-discharge-nozzle fourier-transform microwave spectroscopy of HC_3S(^2II_r)and HC_4S(^2II_i)" J.Chemj.Phys.101(9). 7342-7349 (1994)
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[Publications] T.Tanaka,I.Kawabe,Y.Hirahara,et al.: "Geochemical survey of the Sanage-Yama area,in Aichi Prefecture for environmental assessment" J.Earth Planet.Sci.Nagoya Univ.41. 1-31 (1994)