1994 Fiscal Year Annual Research Report
相関ハートリー・フォック法による固体の電子状態に関する理論的研究
Project/Area Number |
06740310
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山上 浩志 東北大学, 理学部, 助手 (20239867)
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Keywords | バンド理論 / 相関ポテンシャル / アルカリ金属 / フェルミ面 / 電子構造 |
Research Abstract |
バンド理論における有効なポテンシャルの改良、及び開発が自己相互作用や密度帆関数法などによる局所密度近似に対する交換・相関ポテンシャルの改良と1電子励起スペクトルを求めるための自己エネルギーによる方法との二つのアプローチにより進められている。本研究では、安原と高田により提案された新しい非局所の遮蔽されたポテンシャルをもつ相関ハートリー・フォック法を固体の電子状態に適用し、そのバンドプログラムの開発を行った。特に、金属系として、Naのバンド構造を計算をできる様にコ-デングを行った。電子ガスの詳細な構造解析から逆格子空間で表示された自己エネルギーを取り扱うため、擬ポテンシャルの方法を基して価電子の状態のみを取り扱い、内殻の状態はフローズンコア近似を用いた。Hamman,Schluter,Chiangによるノルム保存擬ポテンシャルがよく使われるが、アルカリ金属の場合、交換ポテンシャルの取り除きが不十分であるため、実験値とエネルギーのずれがある。そのため、ToppとHoppfieldにより提案された非経験ノルム保存擬ポテンシャルを使った。相関ハートリー・フォック法はフォック・ポテンシャルのような非局所・非斉次項を含み、そのポテンシャルを数値的に求めるためには、ブリルアン・ゾーン内での精度の高い積分を必要とする。初期の段階では、単純金属や半導体などでよく用いられる特殊点法を用いて積分を行った。この方法は、半導体や絶縁体などのギャプのある系では非常によい結果が得られるが、金属系の様なフェルミ面をもつ場合には非局所・非斉次項の実際の計算ではかなりの数値的な不安定性が確認された。そのため、tetragon法を改良した方法を用いてポテンシャルを求めた。
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