1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740361
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
塩崎 一郎 鳥取大学, 教養部, 助教授 (80221290)
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Keywords | フィリピン海プレートの沈み込みの北限 / 電気比抵抗 / 中央構造線 / 低比抵抗 / 三波川帯 |
Research Abstract |
1.四国東部中央構造線周辺地域(中央構造線をはさむ南北各々約10kmの範囲で計4地点、参照点として四万十帯で1地点)において広帯域(400-0.0005Hz)のMT比抵抗調査を行った。 2.本研究の結果を示す。(1)中央構造線以北では、表層部の数kmは若干の差異はあるが、共通して地殼上部・下部を通して10kΩmの高比抵抗基盤がみられ、この構造が80km程度まで続く。その下にはマントル上部に対応すると考えられる比抵抗層(50Ωm)がある。すなわち、本研究の目的であった「100Ωmの比抵抗値をもつと仮定したフィリピン海プレートの存在」は、ここでは、確認されない。一方、(2)中央構造線以南(三波川帯)については上部地殼内に共通して厚さ10km程度の低比抵抗領域(50Ωm)が存在する。このため深部構造は今回の観測からはみえにくくなっており、フィリピン海プレートの構造を詳細に議論するはできないが、南側の観測点では、地下約30kmにフィリピン海プレートに対応する可能性がある数100Ωmの構造がみられる。また、(3)参照点の四万十帯の構造は、三波川帯の南側の観測点で得られた構造と似ているが、ここでは上部地殼内の比抵抗領域20km程度と厚い。フィリピン海プレートの沈み込みに対応する構造も確認された。 3.今後の課題として、三波川帯において、(1)上部地殼内に共通して存在する低比抵抗層の形態及び成因を明らかにすること、(2)質の高い長周期帯の記録を得るなどして、フィリピン海プレートの先端を比抵抗構造として明らかにすること等が残された。 4.本研究の成果は、95年3月末の地球惑星科学関連学会において報告させていただきます。
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