1994 Fiscal Year Annual Research Report
東北日本弧のモホ面付近で形成された集積岩相の岩石・鉱物学的、同位体岩石学的研
Project/Area Number |
06740389
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤林 紀枝 新潟大学, 教育学部, 助教授 (20238603)
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Keywords | 東北日本弧 / 北部フォッサマグナ / 集積岩 / ハンレイ岩質捕獲岩 |
Research Abstract |
モホ面近くで形成された集積岩類として、新潟県米山地域と海川地域のハンレイ岩質捕獲岩類について、約150サンプルの顕微鏡観察を行なった。その結果、これらは主にホルンブレンドーパイロクシナイト、輝石-ホルンブレンダイト、ホルンブレンド-アノ-ソサイト、アノ-ソサイトなどの超苦鉄質〜苦鉄質集積岩に分類され、輝石に富むものにはAlに富むスピネルが、角閃石に富むものにはチタン磁鉄鉱が含まれることが明かとなった。 また構成鉱物のEPMA分析によって求めた角閃石のAl含有量から圧力を見積った結果、輝石を含む集積岩類の形成深度は7-9kbと深く、輝石を含まないタイプはそれらよりやや浅めで5-8kbや2-6kbの深さで形成されたと考えられる。 輝石や角閃石の化学組成は、サンプルによっていくつかの分化系列に分けられ,複数のマグマシステムからの結晶分化物であると考えられる。しかし、分析した輝石の共通した性質として、輝石台形上でソレアイト質の分化経路を描くことや、Ca+Na-Ti図、Ca-Ti+Cr図、Al-Ti図上で造山帯のソレアイトの特徴を示すことから、本源マグマは島弧ソレアイトの可能性が高いことが明かになった。 以上のように、北部フォッサマグマ地域の鮮新世火山岩類中に含まれる集積岩質捕獲岩類は、島弧ソレアイト質の本源マグマがモホ面付近またはそれ以浅で結晶分化作用を行なった結果形成された地殻物質であることが明かとなった。
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