1994 Fiscal Year Annual Research Report
振動電極法を用いた光学異常を示すトパ-ズの圧電性の研究
Project/Area Number |
06740416
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
篠田 圭司 大阪市立大学, 理学部, 助手 (40221296)
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Keywords | 圧電性 / 光学異常 / トパ-ズ / 振動電極法 |
Research Abstract |
飯高(1953)に従って、振動電極法による圧電性測定装置を作製した。圧電性測定装置は、光学顕微鏡鏡筒を利用し鏡筒上部に周波数可変発振器とそれに連結された振動電極が顕微鏡ステージ上に延長されている。振動電極により結晶を周期的に変形しそれに伴う圧電気をもう一方の電極で検出する。発生した信号は増幅器を通して百倍に増幅されデジタルオシロスコープにより強度と位相が観察される。必要に応じて、GPIBインターフェイスを通じてPC-9801に記録される。作製した装置において、電気石・石英など圧電性をもつ鉱物の圧電性の確認と、逆向きの結晶において逆の圧電性を確認した。この装置においては、圧電気の周波数特性があり、圧電性の向きの周波数依存性があることが確認された。このような動作の確認された装置を用いて、明瞭な光学異常を示すブラジル産トパ-ズを用い薄片を製作し、圧電気を測定した。トパ-ズはX線結晶学的には斜方晶系に分類されるが、焦電気・圧電気・光学異常など斜方晶系と仮定すると説明できない物性を持つ。その原因はOH-とF-の秩序化にあるとされるが、その直接的な実験的証拠はない。測定の結果、光学異常を示すトパ-ズはその方位に依存し微弱な圧電気を示した。従って、少なくとも対称中心は失っていいると考えられる。しかしセクター毎の圧電性の分離には至らず、圧電気の周波数依存性から、分極の極性の特定も検討中である。また、微弱な圧電気の検出のためには、いわゆる60ヘルツのノイズを軽減し、S/N比の良いシグナルを得るよう改良する必要がある。
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