1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740592
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 洋 東京大学, 教養学部, 助手 (50212329)
|
Keywords | 液胞 / オルガネラ / VAM3遺伝子 / 細胞内局在 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
酵母の液胞コンパートメントの構築に機能するVam3pは一次構造上、神経細胞のシナプス終端でのシナプス小胞の膜融合に関与しているタンパク質であるシンタクシンや,小胞体-ゴルジ装置間の小胞輸送に関与するSeb5p,あるいはゴルジ-細胞膜間の小胞輸送に関与するSso1p,Sso2pなどのタンパク質と高い相同性を示す.Vam3pの機能を明らかにする目的で以下の研究を行った. Vam3p特異的抗体の調製:大腸菌内でGST-Vam3pを大量発現させ,これを精製してウサギに免疫し,抗Vam3p抗血清を得た.これを,別に発現させ,精製した6X-His-Vam3pを用いてアフィニティー精製を行い,Vam3p特異的抗体を得た. Vam3pの細胞内局在:酵母細胞のライゼ-トを超遠心によって細胞分画を行い,得られた抗Vam3p抗体を用いてVam3pの局在を解析したところ,Vam3pは液胞画分に見いだされた.このことをさらに確かめるため,蛍光抗体染色法でVam3pの細胞内局在を解析すると,液胞の周辺,すなわち液胞膜が特異的に染色された. VAM3遺伝子破壊株での液胞蛋白質ソーティング:VAM3遺伝子破壊株を作成し,この株における液胞蛋白質carboxypeptidase Yの液胞への選別輸送をpulse label法により解析した.VAM3遺伝子破壊株においては,液胞蛋白質の液胞型への変換が遅れてはいるものの,他のClass I vam変異株で見られたような細胞表層への誤輸送は見いだされなかった. 以上の結果,Vam3pは液胞形成のおそらくは最後の,大きな液胞コンパートメントを構築する際の膜融合において機能していることが示された.
|
-
[Publications] Wada,Y.,Anraku,Y.: "chemiosmotic couplins of ion transport in the yeast vacuole:Its role in acidification insijle organelles." The Journal of Bicenergetics and Bicmembranes. 26. 631-637 (1994)