1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740625
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 一男 東京大学, 理学部, 助手 (80221779)
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Keywords | プロテアソーム / プロテアーゼ / 鞭毛運動 / サケ科魚類 / ユビキチン / ATP / 微小管 / 精子 |
Research Abstract |
サケ精子鞭毛95kDaプロテアーゼの主要サブユニットである53kDaタンパク質について、ペプチドマッピング、イムノブロッティングにより調べた結果、53kDaタンパク質はタブレットであり、それぞれαおよびβ-チューブリングであることが明かとなった。このことはプロテアソームが精子鞭毛軸糸のタブレット微小管と結合していることを強く示唆している。また、精子鞭毛からATP存在下でプロテアソームを精製したところ、分子量約1300kDaから1400kDaの、他の真核細胞で同定されている26Sプロテアソームに相当すると考えられるプロテアソームを同定することが出来た。電気泳動でサブユニットを詳細に解析した結果、この高分子量プロテアソームは950kDaプロテアーゼと650kDaプロテアソームから構成されていることが明かとなった。一方、26Sプロテアソームが分解する内在性基質タンパク質を同定する目的で、精子抽出物をゲル濾過することにより得られる高分子量画分をATP存在下、非存在下でインキュベートし、電気泳動的移動度の変化するタンパク質を検索した。その結果、67kDa,62kDa,40kDaの3つのタンパク質に移動度の変化が認められた。このうち、プロテアソームの合成基質存在下では62kDaの消失および67kDaの生成が起こらないことから、プロテアソーム葉62kDaから67kDaが生成する反応に関与していると考えられる。リン酸化アミノ酸に対する抗体を用いてイムノブロッティングを行なった結果、62kDaのセリン残基が酸化されて67kDaが生成することが明かとなり、プロテアソームがプロテインキナーゼの活性調節に機能しているという事実が浮上してきた。今後、プロテアソームによる鞭毛運動の分子調節機構解明のためには、プロテアソームのターゲットタンパク質の早急な同定が必要であると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kazuo Inaba: "Cross-linking of β heavy chain subunit of dynein from sea urchin sperm flagella by dimethylsuberimidate" Biomed.Res.15. 123-126 (1994)
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[Publications] Zong Xuan Jin: "Monoclonal antibodies against the protein complex that contains the flagellar movement initiating phosphoprotein of Oncorhynchus keta" J.Biochem.115. 885-890 (1994)
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[Publications] Manabu Yoshida: "Calcium and cyclic AMP mediate sperm activation,but Ca^<2+> alone contributes sperm chemotaxis in the ascidian,Ciona savignyi" Develp.Growth & Differ. 36. 589-595 (1994)
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[Publications] Kazuo Inaba: "ATP-dependent conformational changes of dynein:Evidence for changes in the interaction of dyneinheavy chain with the intermediate chain" J.Biochem.117(in press). (1995)