1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740645
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮本 旬子 鹿児島大学, 理学部, 助手 (40244222)
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Keywords | Kinugasa / Paris / Trillium / Liliaceae / heteropolyploidy / GISH / FISH / in situ hybridaization |
Research Abstract |
<目的> キヌガサソウKinugasa japonicaは日本固有のユリ科の多年草で、染色体数は2n=40の8倍体である。ツクバネソウ属Parisやエンレイソウ属Trilliumと形態的共通点があり、2属間の雑種起源ともいわれる。本研究では、スライドグラス上でキヌガサソウの染色体DNAにParisやTrilliumの全DNAを結合させたとき双方の塩基配列が似ていれば良く結合し異なれば結合しないことを利用して、キヌガサソウの40本の染色体中にParisやTrilliumの染色体と似た遺伝子配列を持つ染色体が在るか否かを調べることを目的とした。 <方法> まずParisとTrilliumの2倍体種の葉からCTAB法によって全DNAを抽出して蛍光標識した。ゲノムin situハイブリッド法(GISH)によりこれらの全DNAをスライドグラス上に展開したキヌガサソウの染色体に結合させ、蛍光顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察し、蛍光強度から結合の程度を検討した。 <結果> parisかTrilliumいずれのDNAを用いた場合でも、キヌガサソウの各染色体上に部分的にプローブDNAの存在を示すシグナルが現れた。このことはParisやTrilliumの塩基配列と良く似た配列がキヌガサソウの染色体上に存在することを示しているが、キヌガサソウの40本の染色体の中に現生のParisとTrilliumの染色体と全く相同な染色体が半々ずつ存在しているわけではないことも明らかになった。以上の研究結果の一部を平成6年にKEW Chromosome Conference(イギリス)、日本植物学会大会(札幌)、および染色体学会年会(高知)において公表したほか、本研究に関する論文を現在投稿中である。
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